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映画 おそ松さんのギルドのレビュー・感想・評価

映画 おそ松さん(2022年製作の映画)
4.0
【怪獣同士が玉突き事故してる映画ってワクワクするw】
松野家の6つ子が大企業の社長の養子になるために奮闘するが…な実写アニメ映画。


型破りな映画って感じで面白かった。おそ松さんの映画らしいかどうかは人にもよるけど、一つの娯楽映画としては面白い試みをしていてそうゆう姿勢は好きです。


この映画、一言で形容するのが難しいけど「シネコンでよく見る邦画」を一種の"怪獣"のような大きな存在で見ると怪獣バトルをしているつもりが段々玉突き事故を起こして予想しない出来事に発展する…なところに面白さがあると感じました。

メタ的に語るシーンも含めると、原作をうまく再現しよう!というよりはシネコンで見る映画のジャンルを客観的に見て「おそ松さん使って今までにない面白さを追求してみたけど、どうかな?」と提案を受けているような作品が強いかも。
一種のメッセージ性も実写映画・シネコン邦画への皮肉った感じはするけど、「映画の脚色や構成がなんでもありなご都合主義添加するなら俺たちの思うシネコン映画あるある全部載せしようぜ!」のメタを楽しむシネコン映画に一石を投じるシネフィル映画で見てて面白かったです。

「おそ松さん」を使って「瓜二つな人間が複数いても歩む人生はそれぞれだぞ」や「歩む人生のストーリーに優劣つけれないし、なんなら喧嘩してわけわからんことになるぞ」や「映画って作り手の意図で好きなように変えれるぞ」というのを授業風に見せずにコメディとして昇華させたのは純粋に良かったです。

個人的には中盤から終盤にかけてメタとボケツッコミに食傷気味にはなったけど、終盤の締めに用意された「テーブルに置いてる料理を箒でぐっちゃぐちゃにする」特撮ライブ感は子供のようにワクワクする童心に戻れて懐かしくなりました。
「おそ松さん」的な楽しみを求める人にはオススメできないけど、「ありきたりな映画」に物足りない刺激を求めてる人には楽しめると思います。頭からっぽにして浸ってください!


カフェで小説を書き止もうとしてマスターに止められるシーンで、肘つこうとしたらコーヒーカップにぶつかってビクってなるのは多分メタに隠れたアドリブだと見てるぞ。
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