レネリー

女神の継承のレネリーのレビュー・感想・評価

女神の継承(2021年製作の映画)
4.8
劇場にて鑑賞

「チェイサー」「哭声」を手掛け、俺のオールタイムベスト「哀しき獣」の監督ナ・ホンジンが哭声に登場する祈祷師イルグァンのスピンオフとして制作予定だったものを「心霊写真」「愛しのゴースト」で知られるタイの監督バンジョン・ピサンタナクーンに託し、タイの祈祷師の物語へ変更して制作された本作。

正気の沙汰じゃない。
これは哭声を評価した時にも同じ言葉を使ったが、本作でも邪悪な悪霊と祈祷師及び人間の狂宴とも言える闘いは正に哭声を継承している。

タイのジメッとした世界観から、なんの違和感もなく描かれる祈祷師や除霊、悪霊の存在を反映するが、今作の肝となるのがサブホラージャンルを多用していることだ。
POVホラー及びファウンドフッテージホラーから、固定カメラのような「パラノーマル・アクティビティ」要素、更にはゾンビ映画や食人映画のような要素も違和感なくめり込まれており、ホラー映画ファンの心を鷲掴みしようしてくる姿勢も非常に高評価。

やはりナ・ホンジンが手掛ける作品は必ず「当たり」というレッテルが完成している。
今流行りの過大評価されすぎ映画、Netflixオリジナル作品「呪詛」でやばいやばいと騒がれているが、本当の恐怖と狂気というのはまさに本作と「哭声」を観たらわかるはず。
恐怖演出に全振りするのではなく、過程を描くストーリーも非常に興味深いのも注目だ。

間違いなく、本年度ベスト入り。
近年のホラーでもぶっちぎりの最高傑作。
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