レネリー

苦役列車のレネリーのレビュー・感想・評価

苦役列車(2012年製作の映画)
4.5
Blu-rayにて再鑑賞

原作者の西村氏はこの映画を気に入ってないというが、原作も素晴らしいが映画も素晴らしいと思う。

父は性犯罪者だったことから孤独で窮乏な中卒、友ナシ、金ナシ、女ナシのろくでナシの青年が日雇い労働で同世代の青年と出会うことで人生に変化が訪れるお話。
一言でまとめるとクズであるが、とても不器用というか真っ直ぐというか…。
恐らく根はとても良い奴で、この感情を持ちつつも付き合ってたのが、高良健吾演じる日下部正二だと思う。この映画は日下部と同様の感情を持ちつつも主人公の北町貫多の破天荒な生き方と向き合うことになるだろう。

友達とは?女とは?金とは?
これらに対して卑劣な考えで向き合ってしまう貫多、徐々に周りとの歯車が合わなくなり…とこの模様はとても胸が締め付けられる。
誰しも、行き場のないむしゃくしゃする感情や性欲はあるものだ。ここまで堕ちきっていても、”それでも”というものがある。

出逢うべくして出逢い、別れるべくして別れた。
このクズでどうしようもない男の不器用な人生。

それでも最後は、絶対に何か進めたはず。

人ってこの落差を経験して漸く、変化していくものなのかもしれない。
レネリー

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