神奈川県予選では例年早々に敗退する弱小ながらかつて大学バスケ界で名を轟かせた安西が監督を務め、運命に導かれて各ポジションに逸材が集った湘北高校バスケットボール部。奇跡的な快進撃で県予選を突破してインターハイに出場した彼らが、全国連覇で高校バスケ界の頂点に君臨する山王工業と繰り広げる死闘を描いたアニメ映画です。
週刊少年ジャンプ黄金期を支えたスポーツ漫画のマスターピースで単行本の累計発行部数が二億部に迫る国民的漫画を、作者である井上雄彦自身の監督でアニメ映画化した作品で、メディアミックスで高視聴率だったTVアニメからの声優の交代らが物議をかもすも注目度の高さから映画館のシステムを動かして公開数週前から予約を集めました。
作中の登場人物の成長と、作者の漫画技術の向上、そして作外の日本におけるバスケの浸透が重なって巨大なグルーヴを生み出し、最後には最高の瞬間だけを連ねた「絵」で全てを表現した原作。あの時に実際に体験せずとも聞こえた歓声と息づかい、見えたプレイや仕草、感じた感情の機微と爆発。あれは、こんなものではありませんでした。
