みどり

パリ、テキサス 2K レストア版のみどりのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます


ふらふらと彷徨う最中
トラヴィスは気絶し、弟ウォルトと再会する
4年間も行方不明だったから何があったのか尋ねるも、話そうとしない。
車に乗せても、ホテルに入っても、
弟の目を盗んではどこかに行こうとする
彼が向かうのは……

飛行機はいや
あの車じゃないとだめ
パリに行きたい。

ご飯を食べる。運転する。
少しずつ人間らしく

離れていた時間を埋めるように
車内でトラヴィスとウォルトの距離が縮まっていく
同じように長年疎遠だった息子、ハンターとも
ぎこちないけれど少しずつ親子としての絆を取り戻していく

じゃあ次は?
すれ違ってしまった妻、ジェーンを探す旅
第二幕がはじまる

同じ赤い車
ジェーンの服、ほかにもたくさん。
差し込まれている赤色が親子の血のつながりを表しているみたいに思える
鏡越しのふたりの会話やハンターとの電話
大事なことはいつも顔を見て話せない
トラヴィスのちょっとずるい一面は人間らしさそのもの

楽しくて幸せだった日々も形を変えて
同じままではいられない。
疑心暗鬼になって相手を恨むようになってしまう
そんな日々を後悔して気持ちを伝える
マジックミラー越しに重なるふたりは切ないけれど好きなシーンだった

ふたりを引き合わせて自分は身を引くけれど、ふと笑みが溢れる瞬間のトラヴィスはきっとうれしかったんだろうなあ


ずっと見たかったヴェンダース
映画館で見れて本当に嬉しい
みどり

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