さぶぽむ

アステロイド・シティのさぶぽむのレビュー・感想・評価

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)
3.4
ウェス監督作品はほとんど観てますが、今までで一番難解だなと思う。分かりにくい表現が多かった。
簡単に言うとアステロイドシティという劇とその脚本家の話。舞台裏である脚本家の場面は白黒で、アステロイドシティの話になるとあのポップなカラーでストーリーが展開していく。

脚本家の背景や演者との関係も出て来たり、劇終盤のわちゃわちゃの最中、主人公は舞台を飛び出しカットされて劇には登場しなかった妻役の女優(マーゴット・ロビー)と話したり、描き方が斬新。
絵はやはりどこを切り取っても美しいし、計算し尽くされた画角、演者の動きだなと感心した。宇宙人の動きはクレイアニメのファンタスティックミスターフォックスみたいでユーモラスで可愛かった。
ただやはり分かりにくさと盛り上がりに欠ける感が今作は強かった。宇宙人が5000年前に隕石が落ちたこの寂れた街に突然やって来て、ほんの少し盛り上がったという、この劇の余韻を意味不明さで強めたのかなと感じる。
特に脚本家がこの舞台のタイトルをどうしようか、という場面で「目覚めたければ眠れ」のセリフがよく分からなかった。エヴァの「おめでとう」みたいだなと思った。目覚めるために寝たら見た夢がアステロイドシティだったのか?

キャストが豪華。個人的にマヤホークがウェス作品でどう演じるか観たくて観たのもある。めちゃ良かった。
アステロイドシティにやって来た子どもたちとその引率の先生(マヤホーク)、写真と上記のラストでだけ出るマーゴット・ロビー、義父のトム・ハンクス、大学?の教授(ウィレム・デフォー)、宇宙に関する研究で秀才と評された5人の子どもの1人(ソフィアリリス)、ウェス劇場でお馴染みのティルダやエイドリアン・ブロディやトニーレヴォロリ。気が付かなかったけど宇宙人役でジェフ・ゴールドブラム。
3つ子の女の子、頑固だけど可愛かった。調べたら苗字が同じなので本当に3つ子?

最近はポップアップの展示とかもやってて若者にエモいって消費されてる感覚だったけど、そういう人たちは観てどう思ったか気になるところ。
さぶぽむ

さぶぽむ