やったカニ

イノセンツのやったカニのネタバレレビュー・内容・結末

イノセンツ(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

大友克洋の『童夢』(1981)が原作となっており、童夢を読んだことがあるかどうかで、かなり感想が異なりそうな作品。

本作は原作とオリジナルのバランスが絶妙で、原作既読の僕は結構楽しめた。
特にそのオリジナルの部分が、上手く映画に落とし込まれていて、童夢の模倣にならずに済んでいた。
まず映画全体を通して、家族の絆だったり、血縁の結びつきが描かれていること。お互いのことを守りたいというアナとニーダの関係が、劇中での行動に意味を与えていて良かった。
そして超能力を使ったスリリングな映像の数々!物を動かす力の溜めの時間がドキドキを増幅させます。
ラストシーンは完全に童夢の再現。原作未読の方は、意外にあっさりした終わり方に拍子抜けしたかもしれない。

童夢のオマージュと聞いてあのド派手な超能力アクションを期待していた人は評価低いかもしれないけど、(ポスターの時点でアクションじゃなさそうなのはわかるけどね)全体的にスリル映画として楽しめる部分が多かったのではないでしょうか。
やっぱ団地はいいね。敷地一帯が計画的に精密に造られたゆえの超現実的な風貌が。

※猫が殺害されるシーンがあるので、動物虐待がNGな方は注意です。
やったカニ

やったカニ