あもすけ

呪術召喚/カンディシャのあもすけのネタバレレビュー・内容・結末

呪術召喚/カンディシャ(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

冒頭のまだなんも起こっていないところからもう好きだった。映像も音もめっちゃ気持ちよかった。カンディシャを呼び出してからもその感じが大きく変わることがなくて、アコのとことかハッとして見蕩れてしまう。人の死ぬたびに新鮮な何かがその場面にある感じして感嘆してた。連鎖みたいな終わり方だけれども、ただ怨念が引き継がれていくような感じではなくて、根源が今日に辿りつくまでにも色んな心を経由して形を変えているんだと思う。作中に描かれるメインのカンディシャの変容をそう解釈するとぶん回しの大味な変わりっぷりに思えるけれど、それはそれで面白くてよかったけれど、それよりも静かで超可愛くて尚且つ大変革に思えるラストシーンみたいなのがこれまでもひたすら繋がれてたんだとしたらそこにときめく。でも、多分違う。うんざりするほど繰り返されての今で、それをあんなふうに呼び出したった弟と、そんな弟に小さくても現実的な眩しい夢を見せていた姉と、ふたりでなんか壊しちゃったみたいなエンディングと思ったらめっちゃ好き。逆に弟がこれから壊そうとしているとも受け取れて、それとどっちかと思ったけれど、やっぱり最後の笑顔が何か企んでいるというよりも、こうすれば会えるもんね、みたいな感じする。このふたりの監督の作品は恐怖の対象への思い入れが強いから、登場人物たちのなにかを少しずつ取り込むように形作られるカンディシャそれ自体に集約されていくのが物語の主なんだと思う。それがずっと繊細なんかではなくて、圧巻の力技を随所に魅せるのが好き。ダンボール破るみたくパパの身体をふたつに破り捨てるところ引っくり返った。断ち切るとか切り裂くとかいう感じじゃなくて、ちぎってたし、やっぱ破ってた。
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