こなつ

ハッピーニューイヤーのこなつのレビュー・感想・評価

ハッピーニューイヤー(2021年製作の映画)
4.0
監督は「猟奇的な彼女」「ラブストーリー」など韓国恋愛映画のヒットメーカー、巨匠クァク・ジェヨン。韓国最旬豪華キャストによるラブストーリーとして注目の作品。

定番のハッピーエンドで、意外性のない王道のラブストーリーなのに、何故か鑑賞後満足度と幸福感に包まれた。韓国の映画やドラマで主役を張るスター達が次々と登場し、存在感や持ち味を発揮して、切なくも優しい愛を届けてくれたからなのだろう。

物語の舞台は、ニューイヤーが迫る中の慌ただしい高級ホテル「エムロス」。
そこで働く様々な人々、ホテルマンの知人や友人、利用客達、14人が繰り広げる幾つもの愛と友情が絡み合い、奇跡を積み重ね、最高のハッピーエンドを築き上げていく。

15年間片思いをしている男友達への告白をためらうホテルマネージャーのソジン(ハン・ジミン)、イケメンで優秀だけどちょっとクセのあるCEOのヨンジン(イ・ドンウク)、公務員試験に落ち続け、恋人にも振られ、人生どん底の就活生(カン・ハヌル)、下積みからスターの座に登り詰めた人気アーティスト(ソ・ガンジュン)などなど、彼らの14人14色のロマンスの行方は?ハッピーな新年をどう迎えるのか?

主役のハン・ジミンは、透明感のある美貌、気さくな性格で、幅広い世代から支持を集めている韓国の実力派女優。

少女時代のユナがモーニングコール担当のサービススタッフとして出演していて、相変わらず可愛らしかった。

イケメンのホテルCEOのヨンジンが恋したのは、ミュージカルスターを夢見る契約社員のハウスキーパーのイヨン(ウォン・ジナ)だった。イヨンは、玉の輿を狙っていると陰口を叩かれ、ヨンジンはふしだらだと非難される。

そんな二人だったが、ハウスキーパー全員が揃って準備している宴会会場に、ヨンジンがイヨンを探しに現れ、皆の羨望の眼差しの中、手を繋いで外に出る二人の姿に、あれ?どこかで観たことあるなと思ったら、「愛と青春の旅立ち」のラストシーンでザック(リチャード・ギア)がポーラ(デボラ・ウィンガル)を町工場に迎えに行き、抱きかかえて出て行く場面と同じだった。

何十年経っても、映画やドラマの中で胸がキュンとなるシチュエーションは同じで、私達を幸福感に満たしてくれる世界に連れて行ってくれる。

最後まで心温まる愛の物語は、今まさに新年を迎えるこの時期に相応しいホリデームービーと言えるだろう。
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