このレビューはネタバレを含みます
国家による虐殺の歴史と、子を巡る普通の人たちの人生。まるで別々の話が次第に接近し、じわじわと重なって見えてくる不思議な面白さ。
チグハグに思えた二つの話は、「真実を求める」槍で貫かれています。
どんなに深く埋めようとも罪が消えるわけではない。真実と向き合い、その罪を認めることが強く美しい新たな時代を築く礎になるのだと監督は伝えたかったのではないでしょうか。
2人の母親から愛情を注がれた子どもが生きる未来への希望を感じさせるラストに安堵しました。
非常にアクロバティックな構成と、子を想う母親を演じた2人の演技が魅力的な作品でした。