ぶみ

ナチス・バスターズのぶみのレビュー・感想・評価

ナチス・バスターズ(2020年製作の映画)
3.5
アンドレイ・ボガティレフ監督、脚本、アレクセイ・シェフチェンコフ、ウラディミール・ゴスチューキン、ユーリー・ボリソフ等の共演によるロシア製作のアクション。
ドイツ軍がソ連に侵攻した第二次世界大戦中のヨーロッパ東部戦線において、ドイツ軍を狙撃する謎のソ連狙撃兵「赤い亡霊」と、ドイツ軍と戦う五人のソ連兵の姿を描く。
奇しくも、先日観たヴァディム・シメリェフ監督『1941 モスクワ攻防戦80年目の真実』と同じ頃のドイツ対ソ連をベースとしているため、描かれる時代背景はすんなり飲み込めた次第。
また、作品自体はフィクションではあるものの、赤い亡霊やエピソードは実際の話をベースにしているとのことであり、興味深いところ。
物語は、部隊とはぐれてしまった五人のソ連兵が辿り着いた閑散とした村で、ナチス部隊と戦う様がメインとなり、先程の『1941』やアレクセイ・シドロフ監督『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』といった同じように戦争を扱ったロシア作品とは違い、戦車や戦闘機等は登場しないため、派手な爆発やVFXはない反面、抜群の腕を誇る赤い亡霊の銃撃がいつあるかわからないという緊張感に満ち溢れたものに仕上がっている。
そんな中でも、時にお互いの兵士がとる行動が、笑いを誘う何ともシュールなものであり、絶妙な緩急がつけられているとともに、西部劇か、はたまた必殺仕事人かのような劇伴が特徴的。
緊張感と緩さのバランスがダサカッコ良く、一連のロシア作品とは一線を画す軍事アクションとなっている一作。

ここは俺の国だ!
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