綾

ある男の綾のレビュー・感想・評価

ある男(2022年製作の映画)
5.0
愛にとって過去とは何か。

ああ、映像化ってこういうことよなあって。小説をあえて映像化する、映画にする、ということの意義が伝わってきた気がする。専門的なことはなんにも言えないし分からないけれど。

原作を読んでるとき、里枝は小西真奈美でイメージしてたのだけど(黒目がちって描写がたしかあったのと、儚げな美人っていうのと)安藤サクラやっぱりすばらしいな。夫役の窪田さんも、弁護士・妻夫木聡も、真木よう子の奥さんも、清野菜名も柄本明も小藪も仲野太賀も…… とにかくキャストがすばらしかった。あと茜役の河合優実さんめちゃくちゃタイプ…… 覚えとこ。

平野啓一郎さんは、ずっと一つのテーマにこだわって物語を書き続けてらっしゃるんだなあとあらためて。

映画でいちばん印象に残っているのはダイスケの笑顔で。よかったねえ、よかったねえ、とエンドロールでじわじわ泣いた。きっと私には想像もつかないような辛苦を味わってきたのだろうけれど。せめて。

はなちゃんの圧倒的かわいさ、光もよかった。この子が生まれたのやから。少なくともまちがいではなかった。そういう説得力のようなもの。

ちなみにラストは、原作読んでなかったら私はさっぱり汲みとれず、えーーっ その意味深なん何ーー!どういう意味ーー!ってなってたかも。笑
綾