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さがすのdojiのネタバレレビュー・内容・結末

さがす(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

視点が変わることでものがたりの質そのものが別のものになる点では『ゴーン・ガール』を思わせたし、スリラーの中で深刻なテーマを扱うことで、ストーリーとともに現実感をともなう重たさが観客をおそう。衝撃的ではあったし、脚本・演出ともに一級品のたたずまいがあった。

おそろしいなと思うと同時にかなり危ういのは、安楽死の問題と自殺をいっぺんに扱っていることで、ラストに佐藤二朗演じる登場人物が陥ろうとしてしまった殺人への執着は、ものがたりではあるものの深刻なレベルにまで踏み込んでいる。観終わってからもあたまを離れないのは森田望智さん演じる自殺願望者で、悪態で他者を跳ね除けながら内側に深い空洞を抱える彼女の実在感は、ほんとうに死にたい人がいるという、向き合うには苦しすぎる現実に触れることになってしまった。
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