Netflix作品を劇場上映で鑑賞。
途中まで今年のワーストに入ってきちゃう、かな?…と思って観てたら、終わってみてビックリ。ベストのランキングに入ってきそうなくらい面白かったです。
どんな逆転劇だよ、と思われるかもしれませんが本当にそんな感じなんです。
当時の男らしさを100%体現しているような牧場を支配するカウボーイ。
正反対の優しい性格を持ちながらも彼とはうまくやっているが、どこかデリカシーのなさや周囲とズレが見られるカウボーイの弟。
そんな弟と再婚することになる未亡人と、医大に通いカウボーイ達の男臭さとは縁遠いところで生きてきた彼女の連れ子。
そんな四人の関係が徐々に歪み出すヒューマンサスペンンス作品。
何か大きな事件が起きる作品ではありません。
でもじわじわと静かに何かが進行していく。しかも腐るように悪い方へ。
そんなサスペンス感を孕んだ作品なので、伏線が回収されて初めて良さが分かる仕上がりになってます。
だからこそ最初の方は眠い(笑)
危うく夢の世界にいきかけましたが、そこはカンバーバッチの演技にグイッと引き戻されながら最後まで辿り着きました。
なんだろう、日本で言うと湊かなえさんの小説を読んでる時に近い感覚というか。イヤミス感があります。
言葉で多くを語らず映像や少しのセリフ、役者の表情や仕草で魅せる玄人向けっちゃ向けの作品にも思えました。
カンバーバッチがカウボーイを演じると聞いて感じた違和感は最終的に賞賛に変わりました。
カンバーバッチ演じる主人公と親しくなっていく少年を演じたコディ=スミット・マグフィーも、あの線の細さやナヨっとした感じとそこはかとなく漂うサイコパス感がとてもよかったです。