バリカタ

なれのはてのバリカタのレビュー・感想・評価

なれのはて(2021年製作の映画)
1.5
ダークサイド版 こんなところに日本人

これはドキュメンタリーというカテゴリなんでしょうが、どうにもただ映してるだけの作品。かなり印象が強い被写体というか登場人物達なので、そこにびっくりはあるのですが、正直「で?」の次の句が出てこない作品でした。

まぁ、「こんなところに困窮日本人」というテーマ以外何もなかったんでしょうが、それでも日常を映すだけではなく、人物の深掘りが欲しかったなぁ。過去起こした事件を知りたいのではなく、なぜそこでのその生活を選択せざるを得なかったのか?が映像化するべきだったのではなかろうか?それでこそ「なれのはて」という題名をつけられるのでは?今ある姿だけを見せて「なれのはて=落ちぶれた結果」として見せるのは、あまりに蔑みではないか?と思えるのです。ですから、あまり気分が良いものではなかったかな。撮影側の上から目線感を感じてしまったのです、僕は。

本質を描ききれていないと思うので、監督自身そんなに対象者達の懐に入り込めていなかったような気がします。最初から最後まで「取材される人と取材する人」って距離感を感じましたし、彼らの何かを描こうというよりも「こんな珍しい日本人がいるんです」ってレポートにしか見えなかったんですよね。残念ながら。