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エリック・クラプトン/ロックダウン・セッションズのMALPASOのレビュー・感想・評価

3.9

映画『エリック・クラプトン/ロックダウン・セッションズ』

必見の素晴らしいセッション・ドキュメンタリー。

これまでものすごい数のアーティストのライブを観てきたけど、最も観たのは誰だろうと考えたら、クラプトンかもしれない。来日公演は22回。武道館は96回と度々日本でコンサートを開いている。最後に観たのは2019年の武道館。しかし、コロナの影響で次はいつ来日するのかもわからない。
今年5月のロイヤル・アルバート・ホールでのコンサートもキャンセルになったクラプトン。イギリスのウェスト・エセックスにあるカウドレー・ハウスという古い屋敷にコンサートのメンバーと集まり無観客で演奏を行った。

床を養生し、カーペットを敷き、モニター類をセットするスタッフの様子に始まる。2009年からテックを務めるダンはクラプトンからギター作りを頼まれるほど信頼されている。クラプトンが彼が作った12弦ギターで演奏するシーンもある。

メンバーは、ネイザン・イースト(ベース&ヴォーカル)、スティーヴ・ガッド(ドラム)、クリス・スティントン(キーボード)。
旧知の名プロデューサー、ラス・タイトルマン。

ダンガリー・シャツにジーンズのクラプトンの優しい素顔。曲の間には、リラックスしたクラプトンの様子が見られる。メンバーたちが近所のオッさんが集まって会話してるみたいで面白い。エリザベス女王に最後に会ったのいつだっけ?から大英帝国勲章を車のキーホルダーにして失くした話(冗談なのか本当なのか?)。コロナ禍ロックダウン状態でのDVを心配。クラプトンの運転でドライブに出かけるメンバー。譜面が読めない話。
クラプトンの指が疲れてくるとその日は終了。数日にわたって泊まり込みで演奏を収録している。クラプトンが血豆ができる寸前の弦の黒い痕がついた指を見せる。

♪ブラック・マジック・ウーマンをピーター・グリーンの曲として演奏するあたりが素敵。サンタナとも仲いいクラプトンですが。
ゆったり演奏や会話を見せてくれる。興味深く貴重なものを観た感じ。

11月に発売される映画の映像を収めたソフトは
『The Lady In The Balcony: Lockdown Sessions』
この「The Lady In The Balcony」というタイトル。タイトルにまで・・・恋多きクラプトンがまた恋をしたかもしれない。そんなことを思わせるシーンがある。

結局映画より長いブルーレイを買う羽目になりそう。
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