ぽち

ヤクザプリンセスのぽちのレビュー・感想・評価

ヤクザプリンセス(2021年製作の映画)
3.1
ストーリー展開にかなり無理があるのだが、日本刀を女性が振り回して暴れるクライム・アクションとしてはなかなか見所がある作品。

主役アケミを演じるMASUMIがプリンセスと呼ぶにはかなり「あれ」な見栄えなのだが、ラスト近くではその不細工さが逆にいい味を出していて、大友が描きそうなキャラに見えてくる。

映像がちょっとアメコミ風だと思ったら原作がブラジルの漫画ってことで納得。
原作題名が「SAMURAI SHIRO」。シロウって誰やねん?もちろん未読だが、ネットで絵を見るとちらほらと映画のシーンと同じものがあるので、大まかなストーリーは原作からなのだろう。

映像的にもっとコントラストを強調して漫画の絵を連想させるシーンが欲しかった。
刀を使ったアクションが研究不足かな。チャンバラとなってしまっているのは軽さにつながる。

オープニングでの刀遣いをラストで使ったのは良いのだが、そこまでがチャンバラ。じっと対峙して、動いた一瞬であの技で決めれば数段良いシーンとなったはずだ。

原作者がかなり日本の影響を受けているようで、元ネタを想像しながら見るのも楽しい。
ストーリー的には崩壊寸前と言う感じだが、漫画的な映像とアクションシーンはそれなりに楽しめる作品。


余談。
原作者のダニーロ・ベイルースが大友克洋と小島 剛夕のファンらしい。
確かに今作の原作「SAMURAI SHIRO」の絵はかなり日本の劇画に近い感じ。

押井のラストヴァンパイアとか絶対観ていそうだし、キル・ビルも意識してるな。

でもそのわりに黒澤とかはあまり研究していなさそう。三船の殺陣のカッコよさを取り入れてほしかった。
ぽち

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