めちゃくちゃ好きだった！！
出逢えてよかった作品の1つ

最初から最後まで子供視点のカメラワークで描いていて
自然と子供の感情を観客に共感させる効果を生み出してた

子供にとっては世界の全部である母親と
二人きりの幸せだった日々に
突然邪魔者が入ってきたような気持ちで、
一方の男の人も決して悪い人ではないところが
なかなか胸が痛んだ

言葉が通じないもどかしさからの
2人が仲良くなっていくシーンが好き

子供ながらの悪気のない行動や好奇心も描かれていて
こんなに子供の感情に寄り添える映画はすごいなと感動した

特に後半の展開は衝撃で、
余白のある終わらせ方もよかった

ただ私はロシア語とドイツ語の違いがわからなかったから
あらすじを読まない限り
言葉が通じないことに気づく観客は少ないんじゃないかな

国境越えバンの荷台、アパートや別荘での閉塞感を異国の地で最愛の母を取られた少年の焦燥絶望と対比させ孤立を際立たせようとしたかったんだろうが… あんま効果的とは言えず。　どうしても字幕で見てる日本人には言語ギャップ感じられないからね、言葉通じないもどかしさが伝わらない。いっそロストイントランスレーションみたいに字幕付けないって手法あったかも？
まぁ、それは映画祭事務方というかディストリビュータ(ワールドセールス？)の問題でクリエーターに責任無いけど。海外セールス、特に欧米以外考えると重要… あんま関係ないか(笑

お国は違えど男の子はみんな鉄砲が好きなんだ(笑

追記
skip国際Dシネマ映画祭2021 監督賞

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭にて。

冒頭(その他要所要所)の曲が｢ラブレス｣と同じで一瞬びっくりした。

ウクライナからドイツに渡り不法移民として働く母の元にやってきたロマン。
嬉しいのもつかの間、母と仲良くするゲルトを受け入れられない。

母を取り合う子供と義父のようなドラマだけど、母子が不法移民であることが思わぬ事態になる。
これもしも不法移民じゃなければ丸く収まったのか？と考えたけどそれはそれで別の問題あるだろうな。

ゲルトあのままなのか？とか警察嗅ぎ付けてこないのか？とか疑問は残るが、残酷な大人の事情と社会制度の歪みが起こした悲劇として刺さる話だった。

わりと逞しさも見せるロマン少年だけど、現実を知らないまま時が過ぎてすべてわかる日が来たらどう思うだろうね。