第一次世界大戦後のイギリスを舞台に、名家の跡継ぎと孤児のメイドの"秘密の恋"を描いた作品。
冗漫さや気取った感じがなくもない。
ただ自分的には好き。
静謐かつドラスティックに、ひとりの女性がたどる刹那な愛の物語を紡いでいる。
孤児であるジェーンに対して、戦争で息子を失ったニヴン夫人は
「生まれた時に全てを失っていて、もう失うものがない。羨ましい」と告げる。
ニヴン夫人の痛切な思いが伝わってくる一方で、ジェーンの複雑な思いも伝わってくる。
愛する男性が命を落としていくジェーンの運命。
作家という生き方を選択して再び人生の一瞬一瞬を拾っていく。
エレガントな官能と愛の刹那、人生の奥深さを感じさせる美しいストーリー。
主演オデッサ・ヤングの演技が印象に残る見事なもの。
画面も美しい。