jami

わたし達はおとなのjamiのネタバレレビュー・内容・結末

わたし達はおとな(2022年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

何らかの種類の耐久力を終始、試された。私は耐えた。「キツい」と呟くとしたら50回くらい呟くことができます。出だしからキツく、コンスタントにキツいです。ジャンルは耐久映画です(?)。なぜ私は耐えたのか。それは余りにもこれが今の日本だから、なのかもしれない。ドキュメンタリーレベルのスライスオブライフ。畳み掛けるような時系列切り替えのラストスパートが恐ろしい。それっぽく書くとすれば、ザ・中流家庭な設定にすることで、我々が手に入れるべきものがそこにないことについて強く照射する。食事を準備することと、それを闇の中で食べることは、平成と令和の重なりあいだ。電気をつけるくらい簡単なことを総括できていない。大切なことは大抵めんどくさい、とは宮崎駿御大の名言である。ろくに服を畳めない母親、ろくすっぽ娘とコミュニケーション取れない父親。誰も教えてくれないことが多すぎる、そういう映画である。平成反省映画で若い男女を主題にしたのと言えば、坂元裕二のあれ。もはや反省している場合でもないくらい日本はやばいので、2022年の映画なら2021年以前の制作だと思うのでギリギリ「あり」だったのだと思う。こういう映画は2023年現在、割と「なし」である。
jami

jami