岩嵜修平

よだかの片想いの岩嵜修平のレビュー・感想・評価

よだかの片想い(2022年製作の映画)
3.7
良作。顔にアザを持つことについて、社会からの視線(態度)と自意識の折り合いをどう付けていくか、そこにおける身近な人からの愛の存在の大きさと難しさをエンタメ性もあるラブストーリーとして描くという点で、『ヤンキー君と白杖ガール』と同時代性を感じた。

安川有果監督作は『Dressing Up』と『ミューズ』しか観てないが、良い意味で、暗さやドロッとした感じを描くのが上手く、本作でも怖さを感じる演出をちゃんと本人の問題と重ねて描く辺り、ホラー作品ももっと観てみたいし、城定さんしかりエンタメ性を上手く取り入れる脚本家との組み合わせも楽しみ。

しかし、山戸結希監督をはじめ、井樫彩監督、枝優花監督、首藤凜監督、夏都愛未監督、ふくだももこ監督、松本花奈監督、山中瑶子監督、金子由里奈監督に、安川有果監督と『21世紀の女の子』組のご活躍は凄いことになってるな。加藤綾佳監督、坂本ユカリ監督、竹内里紗監督、東佳苗監督の次作も楽しみ。

正直、もっとメジャー作品でも観たいので、ベテランの男性職人監督こそ、こういう監督たちの作品を観て、メジャー作品への監督依頼が入った時には、その作品に合った若手の監督を紹介して譲って欲しいわなぁ。
岩嵜修平

岩嵜修平