バリカタ

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島のバリカタのレビュー・感想・評価

3.0
過度な期待はしない方が良いとおもいますよ。

先行上映で鑑賞しました。
FIRST世代どっぷりな私としては期待しないわけには行きません。アニメのORIGINでほぼ寸止め状態で生殺しにされてましたから。ついについについに!です。

で・・・。

まずは本作を完成していただけたことに大感謝です。それは揺るぎない気持ちです。まさか、こんな大人になってもワクワクできる作品を作っていただけたことに感謝しかないです。

で・・・、それはそれです。

なんだろな。往年の伝説バンドの還暦ライブを見終わった後のような感じ。セルフカバーのように聴こえるヒットパレードのようなセットリスト。いや、楽しいよ。あの曲好きだし、本物が奏でているし価値あるし・・・けど、あまりにも観客の嗜好や期待に寄せすぎてない?ってあの感じ。こちらもすごく熱かったあの頃の気持ちをセルフカバーして「思い出に盛り上がる感じ」・・・ちょっと切ない。

これとほぼ同じ感情になっちゃたんですよね、残念ながら。

鑑賞前後に改めてTV版15話を見ましたが、印象違うんだよなぁ。決してなぞってほしかったってことじゃなくって、語るべきことを語れてるんでしょうかね?って気持ちです。残念ながら本作でガンダムが描いていた戦争は描けていないのではないか?って思います。かっこいい戦闘シーンも良いですが、もっと描かなければならないことがあるはず。健気に肩よせあう孤児を生むことだけが戦争ではない。もっともっと山ほどの不条理があるはず。「悲しいけどこれ戦争なのよね」な気持ちにならないのです。

客寄せ回想シーンなんて期待してない。そんなんいらないから、もっと突っ込んだ話に出来なかったもんかな。と。サザンクロスなんて・・・もう・・・「なんで?」ですよ。ストーリー作ってよ!って。

完成披露の場で安彦さんは「ガンダムで語ってきたことを描き切れてる」っておっしゃってましたが、僕は大きな「?」を100個送ります。これじゃないって感じ。「ククルス・ドアンの島」リメイク元としては選択ミスのような気がします。

ガンダムの「黄門様の印籠的扱い」はどーなんだろ?正直引いてしまった。コレじゃない、僕が見たいのは。

しかし、感謝が勝りこの評点です。アニメ作品としては十分ですよ。
あ〜〜ぁ、5回くらいリピートするつもりだったのに・・・・。1回で満足です。