ゆかちん

ベスト・セラーズ/小説家との旅路のゆかちんのレビュー・感想・評価

2.8
マイケル・ケインだと思ってチェックしたら、オーブリー・プラザも出てた。
今、MCUドラマ「アガサ オールアロング」に出てるから、よく見る気がしてきた笑笑。


無茶苦茶な状況でも決してめげず、どこかカラッとした雰囲気でカッコよく見えるのは、彼女らしさなのかも。


あらすじ見て、何となくこうなるんだろうなと言うような話ではあったけど、「真実」が思いもよらないところにあり、そこから出た彼女の決断が良かった。



父の出版社を継いで社長になったルーシー・スタンブリッジ(オーブリー・プラザ)は、本の売り上げ低下で経営難に陥っていた。
一時は会社の売却も考えていた彼女が編み出した起死回生の策は、かつて父が契約を結び、編集してベストセラーに導いた作家ハリス・ショー(マイケル・ケイン)の新作を出版すること。
誰とも連絡を取らず世捨て人状態のハリスを見つけ出して直談判し、なんとか本は出版され、2人はプロモーションのために各地を回ることに。
だが、ルーシーはハリスの無茶苦茶な言動に振り回されっぱなしだった…。




ルーシーは偉大な父の遺産である会社を守ろうと奮闘していた。

そこで、ハリスに目を向けて本を作ってプロモーションの旅をする。

しかし、ハリスのやることは無茶苦茶。
SNSでバズるというのは現代ぽい。
小説よりも奇行が目立って話題となる。

ルーシーもブチギレたりして、お互いにぶつかり合って理解し始める。

偏屈くそジジイ役のマイケル・ケイン笑。
でも、どこか悲しみを背負っているところが滲み出ていて良かった。

途中から、ルーシーが思いついた、「普通の人にハリスの小説の一部分を読んでもらう動画を撮ってプロモーション」というのが効果を生み、売上が上がって会社の業績がよくなる。


ここからが意外な展開で。

実は、ルーシーの父は亡くなったわけではないが、施設で介護を受けていた。
もうボケていて会話はできないが、ハリスを見て驚き複雑な顔をする。

実は、「父がハリスの作品を編集してベストセラーになった」は、ウソで。
「ハリスの奥さんが作品を編集してベストセラー作家になったが父が編集したことにした」が真実だった。

それでも、お金が入り安定するならと受け入れたハリスたちだったけど、子供が亡くなり、奥さんも亡くなる。
それで、ハリスは塞ぎ込んでしまったのだった。


その後、ハリスにも病が見つかり…。。




ルーシーの決断が、
父の遺産を遺すために働くのをやめ、
会社を手放し、
ハリスが屋根裏部屋に書き溜めていた作品という遺産を遺すために働くことを決意する、
というのに、なんだかジンワリした。


そして、父の会社を売り渡した恋人のような男性とは縁を切り、
ずっとルーシーをサポートしてきた部下の女性に声をかけ、ハリスの作品を世に出す編集の仕事を手伝ってほしいと声をかけるところで終わる。


「自分にとって何が本当に大切か」
「自分にとって誰が大切か」
「自分の本当の仕事は何か」


ルーシーのこの決断は、
財産も失ってきたし、現実的には大変な状況に陥るものかもしれない。

でも、ルーシーが自分が本当にやるべきことを見つけたというのは、すごく清々しく。

ルーシーなら、全てを知って受け止めた彼女なら、これからもその仕事をやり遂げていくやろうなという希望を感じる終わり方でよかった。



一般の人に小説の一部分を読んでもらうっての、いいな〜って思った。
なんかジーンとくる。
それに、他の部分も読んでみたくなるような切り取り方ってのもよかった。


まあでも、ハリスの奇行はやりすぎなのも多かったなー。
あと、車での旅とモーテル宿泊は、アメリカって感じがした。


ハリスの作品が報われるのを願いたい。



…猫ちゃん可愛かった。
ゆかちん

ゆかちん