レネリー

レイジング・ファイアのレネリーのレビュー・感想・評価

レイジング・ファイア(2021年製作の映画)
4.6
劇場にて鑑賞

去年の年末にYogiboの特別席で鑑賞した。
故ベニー・チャンの最後の監督作品でドニー・イェンとの共同制作はずっと前から計画されていた本作だが、圧巻のクオリティと実に香港映画らしさ、ベニー・チャンだから産み出すことができた善悪の同等なドラマ性、過剰なまでの薬莢の雨、ハードアクション…。

警察の腐敗を目の当たりにし、それにも屈せずに奮闘する刑事と元後輩とその部下たち率いる復讐に燃える犯罪グループの死闘を描くが、この映画の最大の魅力はアクションのみならず、濃密なストーリーと両サイドにドラマ性をしっかりと組み込むことによってどちらにも感情移入ができるということだ。
後半のカーチェイスや銃撃戦は近年の映画史に刻まれる一瞬たりとも隙が無い完成度!

中国資本が働いたおかげで、本来の形からかなりカットを食らったみたいだが、安定した香港映画の良さと、香港映画特有のアクション全振りではなく己の正義を貫こうとする漢たちの熱いドラマを繰り広げ、現代の中国警察に対するメッセージを感じられるパワフルな映画だった!

今後ベニー・チャンの映画が観れないのは本当に残念でならないが、最後の作品でここまで完成度の高い作品を公開してくれたことに感謝する。
レネリー

レネリー