ハンスウ

フィンチのハンスウのレビュー・感想・評価

フィンチ(2021年製作の映画)
4.0
アップルTVです……。ネトフリやディスニーのような派手さはないけど上質なオリジナル作品を配信してますけどやっぱり観てる人少ないんですね。トム・ハンクス主演作でもジャケ写すらないしねぇ……。

今作はSF。太陽フレアによってオゾン層が破壊され、都会の街も砂漠化してしょっちゅう暴風や竜巻が起こるような近未来というSFファンタジーかな。だから序盤あたりはかなり砂を使ってる。もちろんCGだけどデューンの次くらいに砂を使っているかも☺️

トム・ハンクスのもはや名人芸、一人芝居が堪能できます。近未来SF版「キャスト・アウェイ」といった感じですけど、なかなかとても良かったです。一人芝居も犬との共演も過去に経験しているだけに安定のトム・ハンクスでしたけど、それよりも深い広大なテーマがこの映画には流れているような気もしました。

紫外線が強すぎなので主人公が普段外で活動する時は宇宙服みたいな防護服みたいなのを着込んで活動してるんですよね。ちょっとでも肌をさらせば、たちまち丸コゲになってしまうわけです。活動っていうのは食糧探しとかね。じゃ、夜活動すればいいんじゃないの?ってなるんだけど、夜は夜で危険が孕んでいると。生き残ってる人たちはみんな争うように食糧を探しているというわけです。

そんでもってこの主人公は病に冒されていると。たぶん、治療も受けられず薬らしい薬もないのでしょう。死期が近づいています。それでごちゃごちゃやりながら作り出したのがAIロボットです。もとは技術者だったんだね。日増しに体も弱っていくんだけど犬の面倒はしっかり欠かさずに見ています。ね、人間と犬とロボット。いいでしょう。これだけでいい映画だというのがわかりますよね😌

それでこのロボくんがかなり高度な学習機能が備わっていて教えられたことをどんどん覚えてしまうと。はい、いいです。いいです。これくらいのファンタジーは許容範囲内ですよ。ただいうことを聞くだけでなく自分で判断して行動することもできます。中盤はロードムービーのようなことになり、スリラーもあり、がんばれがんばれと応援しながら観てしまう自分🙂……。

やがて死が訪れロボットと犬がとうとう2人っきり( -_- )……。だけど主人公が最後にロボットに教えたのは犬とのボール遊び。つまり、犬の面倒を見れるようになるということです。いいでしょう。泣けるでしょう。目的地であるはずのサンフランシスコにはロボットと犬だけでたどり着きました。そこはオゾン層破壊の影響も少ないのか紫外線量も少なくて安全な場所。そのゴールデン・ゲート・ブリッジ近辺の広大な風景はどこまでも広がる。

昨今はAIの危険性や弊害ばかり語られることが多いけど、この映画のラストシーンでは、人類に恩恵をもたらすAIの可能性はどこまでも広がっていると希望が語られているように思えました。少なくともわたしの勝手な想像ではそんなふうに見えたかな😊
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