深い考えもなく、某映画サイトでよくお話をしていた方が監督ということで、なんとなく見たくなって劇場に出かけました。
結果、「脱ダム」というよりはダムの川の生態系に及ぼす影響について知ることができました。
大きな犠牲を払いダムを建設すると、その結果、一時水質はよくなるのだけれど、やがてダムに泥水や汚れが溜まり水質が汚染される。水が流れないことにより上流と下流の生活は分断される。大雨にともなう放流は水害の元ともなる。
最近、ダムの取り壊しという快挙が行われ、その結果川の水質は戻ったが、一定期間海に汚染土等が流れ、漁業に影響があった。
川上に植林する運動により、水質や海の資源は守られる、などなど。
最初は散漫で遠回りにも思えた脱ダムに関わる人々の話をゆっくりと聞くというやり方になれ、話に耳を傾けているうちに日本の川について考える一つの鍵をいただいた至福の時間となりました。
ダムまでもいかない、古代から作られ続けている鴨川の小さな堰でさえオオサンショウウオの移動を妨げているということに驚く。
ダムの計画が本当に中止になるということは稀なのだそうですが、一方で川や森の働きについての知識も教科書に載るようになったとのこと。
一方で、気になった点は三つありました。
映画の中で、答えている人ははっきり映し出されるのだけれど、質問している人が誰かがはっきりとしない場面が多かったこと。
若者が故郷を離れるのはダムのために地場産業が成り立たなくなったためだけなのだろうかとということ。
もう一つは直接問い合わせます。
運動映画だろうと思いあまり期待していなかったのですが、森や生態系に興味のある方は時間があれば見るといい映画だと思いました。
(至福の2時間弱. 2021/11/25記)