『悠久よりの愛 ~脱ダム新時代~』が配信されているサービスは見つかりませんでした。
日本列島には109水系、3万4千以上もの河川が流れている。 しかし、自然に貫流する河川は釧路川などわずか数箇所しかない。日本は敗戦からの復興、食糧増産、工業立国をめざす中、1961年に水資源開発促進法を制定。河川を水資源とみなし、鉄とセメントの河川工作物(ダム)建設を促進したからだ。いまや2753基にのぼるダムによって多くの河川が「自然改変」されている。 昨今の大水害は、ダムがゲリラ豪雨などに対応できず、ダム本体を守る”緊急放流”で流域住民の命をも呑み込む”大蛇”のようにのたうつ、河川の瀕死の姿ともいえる。そんな中、熊本県球磨川の「荒瀬ダム」が6年余りの工事と84億円の費用をかけて2018年に撤去された。日本初の偉業で、ダム湖は姿を消し、戻った水流にはラフティングに興じる子供たちの歓声、夜には仕掛けた籠にモクズガニが…。 日本の高度経済成長の一翼を担ってきた公共事業は一体誰のためのものなのか。