Habby中野

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーのHabby中野のネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

めっちゃくちゃ楽しくて(もちろん酔っていたから)泣いてしまった。これまでマリオが積み重ねてきたものを作り変えるなんて大仰なことはせず、あくまで解釈の深化と拡大、その丁寧でスパイシーな創造に作品から作品へのリスペクトを感じた(初めて人以外に心情語を使った)。マリオたち兄弟の、冒険以前の日常生活の解釈。ピーチ城での訓練中に一瞬生まれる、マリオのバックショットの臨場感。本来的には全然関係ないけどなんかたぶん解釈的にどハマりしているヒット曲の使い方(同じくピーチ城での「ヒーロー」でなんか自分でも分からないけどブチ上がった)。アイテムの意味合い、ドンキーの村の世界観、カートの描写。幼い頃から能動的に親しみ続けてきたゲームたちが、その延長線上で、いまの自分を抱き止めてくれている。決して裏切らない”彼ら”の姿に、かつてと全く同じ温もりと喜びを感じることができた。マリオたちは、この映画のストーリーと同じように、土管をつきやぶってこの世界に来てくれたんだ。たかがゲームが世界を変えた─それは歴史レベルでも、ちっぽけな一人の人生のレベルでも─その素晴らしさに改めて敬意を表したい。そうして泥酔したかつての少年は、ヨッシーの産声とともに拳を突き上げ大きくジャンプした。
Habby中野

Habby中野