さすらいの旅人

ペルセポネーの泪のさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

ペルセポネーの泪(2021年製作の映画)
3.5
駅のコインロッカーには注意しましょう
【BS/WOWOWシネマ/放送録画視聴/シネスコサイズ】

ギリシャ神話をモチーフにした異色ファンタジー映画。
信州の千曲市を中心とした全面ロケの信越放送70周年記念映画だ。ローカル色豊かな低予算映画であるが、何故か見入ってしまった。理由はシネマスコープを最大限に活かした映像の美しさと予想外の物語の展開に驚かされた事だ。ギリシャ神話と現代を結びつける映画はあまり多くないが、インディーズ映画的挑戦を感じて悪い印象はない。個人的にはこの様な興行リスクを恐れない映画作りにはワクワク感を感じて好きだ。

残念なのは低予算とロケ中心になったため全体的にチープさ感じた事。映像美とか演出テクニックで一部補完していたが、ファンタジー映画としてはやはり限界がある。もう少しVFXに予算を投入し、より分かり易いシナリオで製作すれば傑作になっていたかも知れない。私の大好物のタイムリープもあったし、ファンタジー要素が多いのでもっと受けると思う。

あと、久しぶりに映画で剛力彩芽を見た。キラキラ青春映画の「L・DK(2014)」以来だと思う。マスコミの騒ぎも沈静化して活動を本格化しているらしい。本作では橋本マナミに完全に食われていたが、独特の魅力は健在なので今後頑張ってほしい。