Azmin

ヒヤシンスの血のAzminのレビュー・感想・評価

ヒヤシンスの血(2021年製作の映画)
3.5
ポーランドのゲイ・コミュニティで起こった殺人事件の真相を追う刑事のロベルト。

こちらはなぜか中途半端な状態で打ち切り。それに納得がいかないロベルトは自分で潜入捜査をするうちに、そこで知り合った学生のアレクに惹かれていく。

自分はゲイなど興味が無い、何より同じ警察署に婚約者もいる。
そんなロベルトが、アレクに揺れ動く自分に戸惑いながらも引き込まれていく過程も見もの。
なにしろ、ロベルトもアレクも超イケメン。特にアレク役は美しい!
一体誰?気になります~。

終盤は警察の腐敗した部分がどんどん出て来て、そちらもなかなか深いものがある。
ロベルトの父が秘密警察で働いており、常に息子可愛さで彼の行動を操ろうとしていたり。

ヒヤシンスというのは、ここでは花の意味ではなく、ギリシャ神話から来ているゲイのこと。
ポーランドでは1985年から1987年の間にヒヤシンス作戦というものが行われ、LGBTの人々が監視や拘束を受け、警察にデータベースを作られた。

そんな身動きの取れない中でも、ゲイ・コミュニティの同性愛者たちは強い意志で自分らしく生きていた。
もしかするとロベルトはそんな彼らを見ている内に、無意識にレールを引かれた中で育った自分に違和感を感じ始めたのかもしれない。
(刺激されたとも取れる)

ラストのロベルトは、どこか1本筋が通った逞しい人間に成長していたと思う。
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