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オッペンハイマーのcobossのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.5
面白かった。クリストファー・ノーラン監督作品としては、だいぶ分かりやすいし、前半の成功して有名になっていくパートは楽しい。その一方、あまりのわきの甘さに驚かされる。物理学者なのに、そんなにモテたんだーと驚いてしまった。まあ当時のインテリなら共産党に入ったり、シンパシーを持つのはよくあることだろうが。原作よもう。
役者さんが豪華すぎる。今のクリストファー・ノーランなら端役でも希望者殺到だろうが、ロバート・ダウニーJrはびっくりしましたね。主役のキリアン・マーフィ、エミリー・ブラント、フローレンス・ピューと私生活方面はイギリス縛り、ちょっとだけ出てくるケネス・ブラナー。マイケル・ケインは今回は本当に出てなかったのかな?
マシュウ・モデインがヴァーニヴァー・ブッシュを演じていたらしいのだが、ブッシュさん本人も顔を出していたらしい。どこなんでしょう、分かりませんでした。ゲイリー・オールドマンのトルーマン大統領には驚いた。キリアン・マーフィよりずっとアメリカアクセントが上手い。
後半、原爆を反省してるっぽい感じなのだが、愛国心を疑われたことは腹立たしいらしく、悶々と悩んでいて煮え切らない。ナイーブで理想主義的なところもあった理論物理屋が、運命のいたずらで国と民主主義を背負って立つことになり、がんばってやってのけたけど人死にがいっぱい出て、落ち込んでいるとソ連のスパイと疑われ、名声のはかなさに気づく、というお話なのであろう。何もかも戦争が悪いんや。あとはマッカーシーとスターリンもやな。
一番おいしい役だったのは、堅苦しい軍人をやったマット・デイモンでは。
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