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イニシェリン島の精霊のmeraのネタバレレビュー・内容・結末

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

うーん…🤔 よくわからなかった…

映像は美しいけれど、田舎を捨てた妹の選択は良かったけれど、メインが男同士のよくわからない自我のもつれで、対岸で起こっている内戦と重ねているというけれど、どちらにしても男の話で、女はそこからさっさとさよならさせてもらいます、というところはある意味現代的なのかな…。

ユーモラスな場面もあるけれど、それ以上に湖で死んでしまった(あれはきっと自死だと思う…)バリーコーガン(すごく演技がよかった)と、本が好きな妹以外は、全体にあまり魅力が感じられなくて、特にメイン2人の意味不明なシーンや感情が多くて、観ていてどうもピンと来なかった…

バリーコーガンも島を出られたらよかったのに。



数日後の追記:
観終わってからもいろいろ考えていて、ふと、同じように四面楚歌になった男と女(家族も友人も恋する人もすべての居場所を失ったバリーコーガンと、自分らしく生きられる可能性がゼロの環境の妹)の結末が、男は自死して、女はそこから出ていく、という対比は、ジェンダーバイアスによるものではないかと思った。

バリーコーガンに限らないけれど、この映画の中ですべての男はありのまま生きている(生きることを許されている)ので変化できず、女は常に周囲へのケアを要求されることで柔軟にならざるを得ない。その結果、四面楚歌になってしまったとき、その形のまま死ぬしかなかった男と、柔軟に変化して外へ居場所を求めて旅立つことができた妹の差が生まれたのではと。

あと、無名の優しい人がいるから世界は美しい。そんな連鎖を続けることで未来は少しずつ明るくなる。意思を持って断ち切るべきは指じゃなくて、負や暴力や非寛容の連鎖だと学べる映画でもあるのかも…✂️✂️✂️
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