アイルランドやケルト世界を舞台にした、辛辣な皮肉たっぷりのコメディ(!?)映画。
友人だった二人の男たちの末路。素直だが依存体質の男、パードリック(コリン・ファレル)が彼が親友だと思っていたコルム(ブレンダン・グリーソン)にいきなり拒絶されるところから物語は始まる。
コルムの過剰な反応はホラーに近い。だが、観終わった後にコルムの行動原理を考えるとパードリックに対する「愛」なのかなと思ったり、彼と彼を変えられなかった自分に対する「諦め」なのかなと思ったり。自分の老いに対する諦めを戒めたのかもしれない、とか、色々考察してしまった。
島(や家族)という限られた世界で繰り広げられる「善良さ」の価値について強いメッセージを投げかけている気もする。メタファー爆弾がボンボン投げ込まれてくるので、対岸での見物を決め込むことは(自分的には)不可避。