昼行灯

イニシェリン島の精霊の昼行灯のレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
5.0
狭い島でのおっさん同士の仲違い。「お前の話はつまらん」という一方的な絶縁宣言。前触れもなく起こったように見える人間関係の破綻だが、実はそういうわけでもないらしい。人の気持ちは思った以上に分からない。

楽天的な退屈男と、思慮深いが不器用過ぎる男。愛情と芸術。形に残るものと残らないもの。生きる楽しさと生きた証。おっさんの喧嘩を土台に人生の意味を考える。

役者の表情を一瞬たりとも見逃すまいと身を乗り出した映画は久々。最後まで吸引力の衰えないダイソンみたいな一本となった。
昼行灯

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