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BLUE GIANTのつぐのネタバレレビュー・内容・結末

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

「何かに熱中して好きな事をとことん努力してる人は、輝いている」
この言葉にぴったりな映画だと思う。
自分は原作を読んでおらず、jazzを全く知らなかったので、観に行くか最後まで迷ってたけど観に行って良かった作品でした。

ストーリーはシンプルゆえに、原作を知らなくても楽しめる。音楽もオリジナルであり、曲に合わせてイメージ映像的な演出表現が最高でかっこよかった。音を色で表現する事で、大が言う「熱くて激しいもの。jazzは感情の音楽」というのが伝わりやすかった。
それだけではなく、主人公達にも感情移入しやすかった。

大は世界一の演奏者になる、その為に独学で3年走り続け、毎日努力をし全てを音楽に注ぐ、覚悟、強度、深度は随所に言葉や態度を感じられ、自分なりの表現を大事にしている。

雪折は4歳の頃から鍛錬し続け、スマートに見えて影で泥臭い努力をして高い技術力を持っていたが、SO BLUEのオーナーから小手先の技術で魅せている、客を舐めていると言われ大きな挫折を味わう。1番音楽への愛が強いがゆえ、自分を守るため怠慢になってしまう。でも、「内臓をひっくり返すほどの表現」を気持ちをさらけ出し始めた。

玉田は大や雪折と違って初心者。大に感化され、ちょっとかっこいいから音楽をやってみたら、心動かされ熱く取り組み、のめり込んでいく。ファーストライブでレベル桁違いの2人と舞台に立って諦めなかった事、自分のダメな部分に真っ直ぐに向き合った事、一生懸命に努力した事。
その結果、「君の成長するドラムを観に来てるんだよ」とおじいさんから玉田への言葉は、こっちも泣けて来た。
努力をし続ければ、必ず見てくれる存在がいるという事を再確認した。
そして、SO BLUEで玉田がソロで演奏してるの観て、おじいちゃんと同じ様に玉田の成長にさらに泣いた。

雪折の片手演奏の伏線、赤鼻古参サラリーマン含め3人のファンになった人、こちらもグッと来た。

jazzってゆったりした自由に奏でるイメージだったけど、この映画でjazzは暴力的でカッコよくて狂気、エネルギー溢れる演奏で体を使って、魂を込め、見ていて熱くなるものと知った。
枠の中でなら、どれだけ自由にしても構わない。赤い炎より熱い、青い炎と。
生の演奏を聴いているかの様に、胸が躍るような興奮と熱さを感じさせる作品を作って頂きありがとうございました。
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