スティーブ

地球外少年少女 後編「はじまりの物語」のスティーブのレビュー・感想・評価

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日本製宇宙ステーション「あんしん」に集まった、月と地球生まれの子供たち。しかし突如ステーションに非常事態が。子供たちは生き残ることができるのか、という作品。

いわゆるステーションを舞台にしたサバイバル作品なんだけど、人類社会はあらゆるシステムをAIの管理に依存していたり、過去にAIの知能暴走で巨大な事故が起こっていたり、そのAIが残した未来予知ポエムがまことしやかに語られていたり、といった骨太なハードSF設定が背景にあって、さすがは磯光雄の仕事。ワンダーが輝いていた。
という感じで、序盤から中盤はめちゃめちゃおもしろかったのだけど、終盤に至ると密室からの脱出サバイバルという主眼からはやや外れ、展開も観念的なハードSF方面へ突っ込んでいくものだから、画面の動きがなりをひそめてしまい、その点がちと残念。そもそも描きたいことに対してあまりに尺が足りていない感があって、これは『電脳コイル』と同じく2クールのTVアニメにしたほうが絶対によかったんじゃないかなー、とか。いや、中盤まではほんとにすげーおもしろかったんだけどなー。