コマミー

デューン 砂の惑星PART2のコマミーのネタバレレビュー・内容・結末

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

【救世主の存在】






やはりこれは"続編あってこその物語"だったし、実現できて本当に良かったと感じた。

3月8日から10日にかけて全国60館のIMAX・Dolbyシネマにて開催された本作の"先行上映"にてIMAXレーザーにて鑑賞したのだが、最前列の一つ上の席で見たのだが、まず迫力が半端ないし、"ハンス・ジマー"が奏でる"音楽の振動"がより気高く感じられて「マジでぱねぇ」状態であった。それに、劇中にはどデカい"砂虫"が登場するのだが、まずこの砂虫のでっかいお口が最前列では「3Dですか?」って思うほど、人生で初めてメガネをかけずに3D体験を味わう事ができた。

だから、本公開でご覧になる皆さん、奮発してIMAXやDolbyシネマで見ましょう。

そして今回は、"ポールの様々な事が見えた"作品となっていたが、同時に彼の存在は"善なのか悪なのか"…次第に分からなくなってきた作品になっていた。…と言うのも、今回は非常に前作よりも、"信仰と権力"の関係性がより明白になった作品だと言う事だ。それと同時に、「自分が一体何者なのか?」を知る物語であり、良い風に捉えるならば"飛躍完遂"の物語であり、悪い風に捉えるならば「また新たな火種が生まれそうな」"不吉な予感"をさせる物語でもあったなと感じた。それを交差させるのは、母:"ジェシカ"の覚醒と"ハイコネンとコリノ皇家"である。

これは面白くなってきた…。"PART3"では、この救世主「リーサン・アル=ガイブ」となったポールとそれに付き従う者の運命、そしてジェシカの胎内にいる"アリア"の事も凄い気になる。実現までまた待たされそうだが、期待したいものだ。

そして本作は、"チャニ"とポールの"恋路"の物語でもあった。しかし、チャニの運命も極めて残酷なものになり、ラストも"悲痛なもの"であった。PART3では、そんなチャニがその後どんな行動を取るのかも気になるところだ。

今回のこの映像美は、VFXや視覚効果の賜物でもあるが、やはり"クレイグ・フレイザー"の撮影技術がエグかった。人物を"ドアップ"で映すシーンがとても多く、こんなにも登場人物の表情が美しく映されるSF作品は初めてであった。
そしてハンス・ジマー。地響きが起こるほどのその音響技術は、まるで亡きヨハン・ヨハンソンを彷彿とさせるようで、この音域を表現できる彼はやはり凄いなと感じた。

長くなってしまったが、改めて凄いものを見せてもらったなと感じた。前作よりも圧倒的にスケールが違うシーンの数々、信仰と権力の関係性など、まさに壮大な叙事詩の誕生を前作よりも圧倒的に感じる事ができたからだ。

近い将来かもしれないし、遠い未来かもしれないPART3がどうなるかは分からないが、この聖戦が善の道に行き着くか…悪の道に行き着くか…

この2つを、今後明らかにしてほしいなと感じている。
コマミー

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