けっこう政治の話だったなという感想になった。
前作でお家滅亡に追い込まれたポールが反転攻勢をしかけるのが大まかなストーリー。
登場勢力がみんな追い込まれ気味なので行動の可動域がぜんぜんなく、吸い込まれるように大戦争がはじまっていく。
そこで実は、ポールが予知能力によって針の穴を通すような動きができるというのが効いているという話なのかもしれない。政治とは可能性のアート。
宗教的なところはおもしろいなと思って、作中で焦点になっていたのは「予知能力者が預言者をかたるのはいいのか」というところ。ポールは(おそらく)南の民がいうリサーン・アル=ガイブとイコールではないんだけど、全てが見えているわけだから、機能としては同じと見なせる。これを民を騙しているととるかどうかですよね。ダックタイピング的な預言者像。(もしもそれが預言者のように歩き、預言者のように語るのなら、それは預言者に違いない)
映像面は前作に引き続きすばらしい。やりすぎ感さえあるハルコンネン家まわりの描写は特に記憶に残った。花火、汚すぎない?
フェイド=ラウサは今どき逆にめずらしい、ナイフを舐めるタイプの悪役。けっこう濃いキャラだったので最後以外大立ち回りがなく死んだのは残念でしたね。