はくあ

ゴーストワールドのはくあのレビュー・感想・評価

ゴーストワールド(2001年製作の映画)
4.0
正直、なぜ評価が高いのかいまいちわからなかった。好きな人がいるのはわかるけど、ポパイの映画特集の表紙に選ばれるほどの作品なのか?

主人公イーニドとレベッカの悪友ふたり組が高校を卒業し、同居を計画したり音楽オタクの男シーモアを偽デートで釣ったりして暮らす。しかし次第に、ちゃんと就職したレベッカや運命の女性とと交際をはじめたシーモアと、何もかもうまくいかないイーニドとの間に溝が開いていく……という話で、宣伝もこのようなあらすじで青春映画ふうにされている気がする。

だが、実際のところこの映画に青春要素はあまりなく、どちらかといえばイーニドという、不安定で人間関係をうまく構築できない人物にまわりの相対的にまともな人間が振り回される話という印象がつよい。
特にシーモアに関しては、イーニドがいなければ単なる女っ気のないコレクターとして過ごせていたような気もする。

ラストシーンもなんともいえない。
バスをずっと待っている狂老人というキャラは美しかったんだけど、バスが物理的なものとして来てしまったことで、物語のラインをひとつ踏み越えてしまったような気がした。設定としてはいいんだけど、物語のすべてのオチに使えるほどの強度があるとは思えないんですよね、あの老人。ポッと出といえばそうだし。

いいところとしては、映画美術がすごくしっかりしているところと、スカーレット・ヨハンソンが終始みせる苦虫を噛み潰したような表情。
はくあ

はくあ