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デューン 砂の惑星PART2のSQURのネタバレレビュー・内容・結末

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

救世主の到来により宗教的な熱狂が高まり、帝国の植民地主義に対抗する火は大きな炎へと変遷していく。激アツ。宇宙版レ・ミゼラブル。
ハルコネンにはハルコネンの、皇帝には皇帝の思惑があり、ポールにはポールの、母には母の思いがあり、DUNEの人々にはDUNEの人々なりの思いがある。その交差するところに歴史が動き、戦争が引き起こされる。壮大な叙事詩。

ハルコネン家が擁護の余地もない悪として描かれ、反植民地主義を掲げる主人公側に概ね大義があるという潔い作劇は、力強く、心強さを感じる。反面、その熱狂に恐ろしさを感じるところもある。
映画では、予言の教義のもと、ポールやチャニの希望や意志を封殺していく無情さもしっかり描かれている。
また、復讐と復権を求めるポールたち自身にももとはハルコネン家の血が流れていた、という衝撃の事実は、ドラマにより一層の複雑性を与えている。ただの植民地主義vs現地民といった対立構造には収まらない、同胞殺しであるということ、しかしそれぞれの思惑や大義のもと殺し合うことになる、その決定論的な無情の叙情もよい。


次作もIMAXで観たいと思います。
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