Ryosuke

デューン 砂の惑星PART2のRyosukeのネタバレレビュー・内容・結末

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

様々な宗教要素、政治要素(特に中東情勢)、洗練された映像美が、頑強で重厚な世界観を創り出している。間違いなく劇場案件。

キリストの復活の文脈をなぞりながら、預言者かつ指導者であり戦地に身を投じる姿はムハンマドだ。「マハディ」はイスラム教では救世主の意味がある。

サンドワームの幼体を浸水し、命の水を抽出、死にかけのポールの顔に塗る行為も洗礼の儀を連想させる。メシア(ヘブライ語で聖油を塗る、油を注がれた者)
なんにせよポールは聖別され、奇跡の実現を演出、異なる次元の存在に成った事を暗示している。
ユダヤ系のティモシー・シャラメが担う事で宗教的な配慮がなされているのかも。

不可解は、胎内の羊水(塩水)にいる未来の妹が海と砂漠を背後に登場すること。
チャニの「砂漠の春の涙(塩水)+命の水」で復活を遂げたポール。
水はフレメンの死生観を表しているし、宗教的にも重要な役割を担うことからも、多神教要素、メソポタミア神話の混乱の象徴、海の女神、塩水で出来たティアマト神を想起させる。

父的な神の概念がまだ存在していないようなので、最終的にティアマト神の伴侶、男性神アプスー(淡水で出来た神)のような神話の礎のような存在になるのだろうか。
ポールがアラキスに緑をもたらすには、妹か、チャニがキーとなるのか。

part3を欲す。
Ryosuke

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