keecoliquorice

ロックフィールド 伝説の音楽スタジオのkeecoliquoriceのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

イギリス、ウェールズの広大な緑のなかにある酪農家、60年代そこの音楽好きな兄弟は、バンドを結成しレコード会社へ乗り込むも撃沈。

なら自分達でスタジオ作ってレコーディングしたる!と、それなりの機材を次々と揃え、厩舎や飼料庫をスタジオにしていった。

家族総出でミュージシャン滞在型のスタジオを運営し始め(奥さん経理できる人だったことは大きいと思う)ここロック・フィールドスタジオから、ブラック・サバス、クイーン、シャーラタンズ、シンプルマインズ、オアシス、コールドプレイ… とすごいバンドの、名盤が生まれたと。

出てくるミュージシャンたちの懐古エピソード、間にはさまる資料映像や写真、オジーが川でイカダにのって満面の笑みだったり、ほんと楽しそうで、

でもまぁ、長いこと共同生活しながら音づくりしてると、衝突も起こるわけで。

ヘタウマキュートなイラストのアニメも使って綴られるドキュメンタリー、とてもワクワクと観ました。

何棟もある煉瓦造りの建物。案内してくれるキングスリーさんがドアを開けながら、「ここの反響が最高なんだよ」と言う声がもうほんと素敵にナチュラルにエコーしてて、わー、って思った。

コールドプレイの、この豊かな自然環境にいたからこそ生まれたという楽曲を、このフレーズはこの場所で、次の歌詞はあそこで空を見たときに… と、作られる過程を話してくれながら、

バーン!とスタジアムのステージへ切り替わると、彼らの視点で何万人規模ぎっしりの観客を見渡す光景がぶわーっと広がり、ゾワー✨と鳥肌がたった。

あの農家で紡がれた音が、こんなすごいことになっていくんだ!ていうのを、流れるように全身で実感した。

以前、映画の録音担当の方がTwitterで「やはり、あいだに空気をはらんだ音が好きです」と。鳴る音、発せられる声の、環境による質感の違いって絶対録音されるんだろうな。

リアム・ギャラガーさんがファッキンファッキン言ってるのもこれ映画だからいいのかしら、と可笑しかったけど、

キングスリーさんが、Blimey、ブライミー言ってて、Oh my God!とかHoly cow! みたいな、おやまあ!という時に口から出るやつ、と昔イギリス人の子に聞いたのを思い出した。正確には 「Cor Blimey, Guv'nor 」て言うらしいですけど、「意味は分からん」言ってました😅。
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