扉、壁の穴、寝台の幕によって切り取られた画面が登場人物同士の関係性を見事に描き分ける。草むら越しの足下のショットの反復と決してアップで撮ることのない手のやりとりも見事。義理の妹があったはずの過去(未>>続きを読む
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@ドルビーアトモス
ドラゴンボールみたいな世界観。最早グレートサイヤマンと化したワンダーウーマン、願い事と終末論が一体となったGTを思わせる展開もあり楽しんだ。トランプを思わせる魅力ない悪役を中心>>続きを読む
道、橋、階段の反復と襖によるもうひとつのスクリーン。完璧な横移動のカメラ。川でのシーンの画が最高。
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美術、照明、衣装に撮影と異次元。亡き姉を匂わせるシンプルなプロットも含め完璧に近い。顔と手を中心に据えつつ色調の変化や布越しや鏡といった小道具による古典的な演出と反復、会話シーンにおける撮影のバリエ>>続きを読む
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3組の男女を家族や隣人、性別に切り分け鏡像・平行関係を描きまくる。反復は完璧な生活の暗喩になり、隣の芝生が青く見えるのも見事な幻覚になる。
さらに社会的な属性である仕事の関係によって男と女の立場に>>続きを読む
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フィンチャー作品特有の精巧な人物造形や画面構成は変わらない。特に美術、衣装、照明は目を引く。編集もフィンチャー節であり、省略し過ぎる事のない移動、会話シーンにおける切り返しや細かな編集により、登場人物>>続きを読む
固定されたカメラによる画面構成は基本的に守られ続ける。人は画面から入っては出てくるか後を辿るように流れていく。つまり反復する。
小津安次郎、セルゲイ・エイゼンシュテイン、ペドロコスタまで結びつける源流>>続きを読む
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高橋一生演じる優作の目的は証拠を届けることと同時に、聡子を外の世界から遠ざけ安全な場所に留めること。故に聡子は家→映画の撮影所→拷問所→空っぽの荷物→サナトリウムと閉域を辿り、ラストの戦争と扉を開け>>続きを読む
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一つ一つの動きを省略せず繋いでいく映像は良い(すこし飛ばす場面もあり)/手元、足元のアップも少し過多だと思うものの映画的/涙の描き方に新海誠を感じる/電車を覆う細胞の描写はいかにもCGでいまいち/アク>>続きを読む
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不思議な作品だった。
物語はシンプルで祖国と他国に分断された人たちによるコミュニティーの話で、同時に世代間の摩擦もある。特に主人公であるビリー・ワン(オークワフィナ)とナイナイ(チャオ・シューチェ>>続きを読む
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まるで時が止まっているかのような錯覚を覚えた。墓地から帰ってくる人々と何度も登場するダバコをふかしながら立ち止まる男たちと十字架。幾つもの扉の開閉、生を掴もうとする手、柵越しのショットの反復、火や水>>続きを読む
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集大成的でもあり、ワイドスクリーンバロック的だとも007的ともいえそうなプロット。順行/逆行というよりは裏と表。そして平行。行って帰ってさらに遡るというシンプルさ、組み合わせた手のように流れが重なる>>続きを読む
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彼は映画監督でも母親でも役者でも過去に愛した男でも名も無き画家でも鑑賞者でもペドロ・アルモドバル監督でもあり、ドラッグや夢がもたらす幻想でもあるかも知れない。水、石鹸、手の反復が辿る欲望。肉体の傷、>>続きを読む
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とにかく脚本が好き。二人の高校生を中心に、全ての人/事柄には一つの方向からは推し量れない要素があり、新しい側面が無限にある以上学び続ける必要があることにさりげなく触れつつ、それが車のシーンの反復によ>>続きを読む
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周りをぐるぐる回る、動物と人間の重ね合わせ、柵越しのショットやテレビ画面による主体/客体の変遷があり、最後の発砲以外はまるで時間が止まってしまったかのように映るのが非常に面白い。歌の反復がより時間を際>>続きを読む
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秀作。少女コミック原作の作品としては恐らく破格の出来。
「諦めかけたこと/中断してしまったことをやり直すこと」を軸にしたプロットが秀逸。待ち合わせ場所に行くこと、TSUTAYAに行くことと夢、恋愛>>続きを読む
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YouTubeにて。
南北戦争以降の時代からアメリカを巣くう差別構造、搾取構造を浮き彫りにする。音楽が、映画が、機器が常々歴史を遡りながら最新のものを生み続けてきたように、アフリカ系アメリカ人をはじ>>続きを読む
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確かにあると感じるものが、ある時失われていくということを淡々と描いていくだけ。叔父を見送った後の暗転→喪服の流れしかり。葉の騒めきと色の変化のように変わらないと思うものがゆっくり変わっていく。ピント>>続きを読む
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劇場にて再見。
人類もひとつの種でしかないという圧倒的なスケール。動物・精霊・人間を動きや反復でひとつの円環として描いてしまう透徹さにビビる。人間を徹底的に罪あるものとしつつ悪とはしない所に生きる希望>>続きを読む
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冒頭の家からの脱出のシークエンス全般があまりにも素晴らしい。シンメトリー的な決まったショット、スムーズな横移動のカメラ、手元、足元や視線に目配せしたヒッチコック的ともいえる演出と伏線としての道具やカ>>続きを読む
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「オリンピア」の影響は言わずもがな。伝統的な「顔」の映画でもあり、人物を特定できるように顔をとらえるのはほぼ観客と選手だけというのがオリンピックの主役はだれかというのを物語っているよう。
海外へ観光>>続きを読む
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グローバリゼーション、環境破壊、搾取といった要素をさりげなく映しながら、円環を示す山道のショットの反復が人間社会の外にある生の循環を思わせる。つまりこの作品で描かれた事は大きな歴史的な営みの暗喩であり>>続きを読む
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「ツリーオブライフ」と「ムーンライト」の間にある映画という印象を抱いた。物語の主題は教会で神父が語る通り隣り合わせであるLOVEとHATEのうち「赦し」によりLOVEを選びとれるか。そのテーマを個人の>>続きを読む
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先日劇場にて。
刑事たちを追いかける余りにも流麗なカメラワークの語彙に脱帽。長回しによるスペクタクル(すこし黒澤明がかすめた)と場をコントロールする演出力。そこからはみ出す風や虫といった自然の揺らぎ>>続きを読む
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ウェス・アンダーソンが好きな一本に挙げていた本作。キーになるのは食事のシーンで、同じ席に着いた人たちが同じ食事・飲み物をとるか否かで、人間関係の行く末が決まるという演出が凄い。あまりにもさりげなかっ>>続きを読む
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暖色の過去と寒色の今を横断し、過去にあったものが徐々に失われていき、自分の服と妹の髪と原稿を燃やした炎を灯すこと、暖色を取り戻すことによって新しい家族を得るというプロットをメタ的に処理つつ、自身も物>>続きを読む
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期待を遥かに超える秀作。移動や会話を丁寧に繋ぎながら、画面を揺らすことなく映像内を動かすコントロール術が素晴らしい。鏡によるアイデンティティーの揺らぎ、扉の開閉と映像・劇半の反復が見事で特にナオミ・>>続きを読む
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「レイジングブル」を思わせる冒頭の長回しと最後の横一列のダンスシーンだけでも最高。手元足元を金を手放す逮捕シーンのショットまで連結させる手腕もなかなか。ジャネットの「コントロール」からポールダンス場面>>続きを読む
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地道に取材する記者に焦点を絞ったことが見事に生かされている。取材のための移動のシーンとインタビュー相手と記者の対話シーン、もしくは記者たちの会議のシーンでほぼ構成されている。最小限に絞った音楽も効果的>>続きを読む
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そもそも小説においてタブーともいえる、日記をつけることで真意を明らかにすること、不慮の事故による急転直下という二つの事柄を扱っているため、物語に関してはコメントすることはないかと。それよりも、図書室>>続きを読む
行って帰ってくるだけ。失ったものを取り戻すだけ。横移動、落下と上昇。声高に叫ばなくても雑な敬礼ですべてをなぎ倒す。最高。
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アガサ・クリスティ、コナン・ドイルを踏まえたミステリー作品という体裁はあるものの、本作の主題は2010年代の社会的問題である移民や他者性について。そこで問われるのは作家である祖父が持ち合わせた作品自>>続きを読む
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窓の景色が逆走するショット、もしくは夕日が塞がるショットを契機に見る/見られるが反転する怒涛の後半へ。携帯電話やドローンの扱われ方は今までみた作品の中でも上位にあたる。そこにはプライバシーと公共性の>>続きを読む
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主人公のダニーの旅行前のシーンで映るもの、熊のポスター、壁の写真、鏡(像に引き込まれるいくつかのシーン)、両親がベットに並ぶ場面、籠った音響になるパーティーのシーン、室内から窓の外の景色にズームして>>続きを読む