このレビューはネタバレを含みます
「音楽」ではなく「歌」と終始いい続けているのは象徴的だった。音の連なりや演奏、録音ではなく歌うことや歌い手の人間が重視されることはそのまま本作の脚本・演出の方向性とシンクロする。冒頭のベルの歌唱シ>>続きを読む
いい感じ。次の世代へのバトンを渡すことを基調としながら、アメリカの正義による犠牲と保護を丹念に描きつつ、個人の判断の是非を権力or大衆が裁くことにも触れるプロットが秀逸。「ロッキー」「パットン大戦車>>続きを読む
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劇場にて
妻から逃れるように別の家に通う夫によって居場所を無くした子供こそもっとも夫婦が求めていた存在という皮肉。その子供によって今度は妻が追い出されるというシンプルなプロットが極上。さらに前半>>続きを読む
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上には灯台の光とベテラン灯台守がいて、下には人魚、過去の灯台守、死がある。ペンキ塗りの場面での落下+海鳥は象徴的。無意識/意識とも対応しているだろう上下関係は同時に一つの極でもあるはずで、最後の階段落>>続きを読む
自宅鑑賞。
丁寧な画作りとフレーミング、車内の狭い中での流麗なカメラワークと俯瞰のロングショットの対比が素晴らしい。スローモーションの使い方、頻出するガラス/ガラス越しのショットの連関の悪さは気にな>>続きを読む
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劇場鑑賞
最高のグルーヴを浴びっぱなしの90分弱。シンメトリーな舞台とミニマルな照明、冒頭の足元ショット、長回しとディゾルブの妙、「Once in a Lifetime」のバーンのワンショットと>>続きを読む
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伝統的ともいえる視線の交錯が好意ではなく憎悪になる、という演出から「ヒートみたいだなぁ」と思っていたら、むしろ「ゲット・アウト」を通過した社会派ホラーだった。扉の扱いもまさにホラー。揺れる画面を一切>>続きを読む
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エネルギーの坩堝。ひたすら圧倒される2時間半。世代間の継承を主題にしながら、今日的なトピックを織り込んだ脚本、細やかな編集と多角的な映像により現代的な作品になっていた。隅々まで生き渡った美術、ポスト>>続きを読む
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劇場にて。
焼け野原後の夢の象徴でもあるはずの架空の電車が行って帰ってくる間に、交換した夫達はもとの家に帰り、来た女は帰り、少女は自転車をまた見送り、男は杖をつき家に戻る。つまり何事もなかったよ>>続きを読む
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@国立映画アーカイブ 舞台挨拶付き
劇伴から察するに、恐らく米伊日のハイブリット。顔への拘り、キマリまくった画と距離を示すピント送り・カメラの寄り引きが銃を際立たせてかっこよい。そしてなによりカ>>続きを読む
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@ドルビーアトモス
少年の夢のような映画。フィギュアで妄想していたかのようなスペクタクルが目一杯画面に拡がる。人物の歩行シーンや車移動は割りと丁寧に撮るにも関わらず、空中戦や怪獣の戦闘シーンは体験ア>>続きを読む
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期待以上。「スリ」「ダークナイト」「ヒューゴの不思議な発明」「ジョーカー」を思わせる描写と扉や窓の幕としての扱い、欲望としての視点ショットもかなり良い。実の母子が互いの愛犬と同じ柄に染まり始める中歌>>続きを読む
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「夜の大捜査線」のような熱気に少し過剰ともいえる画面の引き/寄りにアメリカン・ニューシネマを強く感じた。サマー・オブ・ラブを通過した71年。観客の衣装を含めどこか自身のルーツに回帰するようなムードは>>続きを読む
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久々に映画見て力が湧いてきた。
ハーヴェイミルクが初めて当選した時の顔ぶれは、それぞれの民族や性別を象徴した人たち。そのなかには対立から彼の命を奪う人間もいる。
「選ばれた人」が力を合わせ制度を変>>続きを読む
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劇場鑑賞。
愛の悦びから退廃へ。見ることによって始まった二人の関係は、他者に覗かれ、叩かれ、物を入れられ、鏡に映され、他者と共有されることによって徐々に暗転していく。それは最後の閉じていた扉や襖>>続きを読む
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冒頭の脳の説明通り、演者/客席/映画鑑賞者の垣根を取り払い、本編終盤にむかい楽器を手放し人間だけになっていく演出がスゴすぎる。トーキングヘッズ時代からソロまで、バーンが常々アメリカの外側に触れてきた>>続きを読む
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冒頭での扉や窓の開閉、青の配置、窓越しの視線ショットと古典的な作品かと思いきや、実験的な作品で面食らった。「めぐりあう時間たち」を思わせる時間軸のずれや「欲望のあいまいな対象」を彷彿とさせる二人一役>>続きを読む
劇場にて。
最早一つのスタンダードと化した「ソーシャル・ネットワーク」の様な早いテンポの台詞回しと編集の洗練が気持ちいい。更にグラスを机に置く、扉を強く閉める、壁に体を擡げるといってシーンの反復によ>>続きを読む
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現時点における今年の編集のベスト。アクション、ドラマ、ラブコメ、SF、少しのホラー&サスペンスと多岐にわたる要素を90分に押さえつつ、登場人物の機微や動きを組み立てていく様は非常に気持ち良かった。 >>続きを読む
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昨今の漫画本編の問題点やここ十年のコナン映画を支えるファンダムの変化がそのまま露見したような映画だった。つまり、登場人物のあまりの多さゆえ各キャラクター全員の見せ場を作りつつ、過去作からの「お約束」>>続きを読む
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常々鳴り続ける虫の音や劇伴が象徴するように本作はアンビエント映画。それにより繊細なショットやピン送りによって浮かび上がる美しい自然や生活、人間の表情により浸ることができる。世代や宗教、移民や出自とい>>続きを読む
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余りにもスケールの大きな映画でビビる。ロードムービーでありながら目的地はなく、リングの様に円環する。反復するシーンには存在/不在が、連なる荷物や車にはグローバリゼーションとその反映が、ファーンの視点>>続きを読む
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非常に良かった。「責任をとる」という台詞そのままに大人は責任を全うし、子供たちは愛情によって報われる。箱庭的・内省的世界観ゆえの鏡像関係の多さや蒔いた種を刈り取るだけのある意味超シンプルなプロットと>>続きを読む
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正面から人物や彼らが見たものを撮ることができない作品に反弾圧は無理。会話シーンにおけるカットの割り方や、ダッチショット、不必要な角度をつけた煽り気味のショット、スローモーションや記者のシーンで必ず揺>>続きを読む
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船が着いてから去るまでの映画。つまり戦後が色褪せ、最早二度と帰ることのない少年期というかけがえのない瞬間を封じ込めた。男は引き摺り、女は流される。移動を捉えた流麗なシークエンスや間をいかした素晴らしい>>続きを読む
反復、反復、反復…彼は私やあなたや彼女でもあって、映画を駆動させるのは機械の進歩とみることの欲望と肉体。余りにも野蛮な編集の力が凄く、無限の可能性を映画に感じさせる。「OLYMPIA」や「裏窓」の始>>続きを読む
下から上に向かうエネルギー。世代交代や技術革新を表現したであろう高さの描写にフランス―ニースのエネルギーが宿る。劇伴のジャズも素晴らしい。時系列にジャン・ヴィゴ作品を辿るとグラデーション的な変化に感>>続きを読む
アメリカとはまた違った動きの捉え方で驚く。監督が「オズの魔法使い」や「美女と野獣」を撮ったら…というか彼が源流なのかも知れない。
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行っては帰るプロットと多々ある反復を重ねながら、残るのはアタラント号とその行き先。それを象徴する水の中で「見る」ことが作品の骨子になる。船の上を歩く横移動シークエンスや海中のシーンはあまりにも優美か>>続きを読む
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閉所、高所から捉えられていた子供たちが屋根に登って大人たちと立場を入れ替える後半の解放感が素晴らしい。その原動力は前半のトリック披露やはや回しとスローといった映画の技法に他ならない。だから本作は子供>>続きを読む
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映画館にて。
アメリカン・ニューシネマ期を思わせる高所からのロングショットや男女行きずりのロードムービーのスタイル、ジム・ジャームッシュ的な何も起きないことを淡々と描写する長回しや、タランティーノ>>続きを読む
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ドキュメンタリー、ドラマ、ロードムービー、そしてサスペンス。画と音声を時に乱暴に繋ぎ、何が起こるかわからない緊張感と立場の倒錯からくる笑いが絶妙に配分される。シャッターを開けたオープニングから壁の向>>続きを読む
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冒頭の窓や扉のショットから素晴らしく、隔てられた存在であったはずの刑務所&ヤクザ社会と実社会の垣根はシーンの反復やPOV、ガラス越しを通して地続きになる。東京の夜景を初めとするロングショットがより胸>>続きを読む