殺戮でなく、生きのびることを描いた戦争映画でした。ただ、美談としてまとめてしまうのは、どうなのでしょうか。
市川崑監督の、柔らかい光と陰影の美しい絵、カットのおもしろさは、見られるものの、野村芳太郎監督のそれにくらべてしまうと、俳優に力がなくて、うすっぺらい印象に。
岸田今日子の双子の老婆は、いいですね>>続きを読む
前作『プロメテウス』から、「創造主」のお話をもっと聞きたい、というのはあるけれど、次作に期待です。エイリアンより人間より、アンドロイド、マイケル・ファスベンダーの映画でした。それはそれでいいですね。
一瞬の友情は、また儚くすれちがっていきますが。永遠さえも感じさせてしまうのは、さすがです。
終始緊張感はあるが、銃撃戦はかっこわるいし、台詞はダラダラと、不器用で妙な余白は、ブラット・ピットの持つ「間」につうじるのかな、と思いました。
萩原健一かっこいい、小川眞由美の妖艶、山本陽子の美しさ、渥美清もさすがに趣きがありますし、山崎努の走りは名シーン、田中邦衛や大滝秀治のちょい役も効いてます。昭和の名優をたくさん見れまして、よかったな。
日本人の根幹にふれるような。わかりきった悲劇と言えばそうだけど、泣いてしまう。
入水の場面の美しさは奇跡的。
シンプルにひたすら、妻の届かぬ想いを描くことに専念する姿勢に、好感が持てました。
メタなはじまりから、ただごとではなく。好きだけど嫌いな、内面に触れられたような、次元を超えてしまった映画。
なんといっても、この壮大すぎる物語を、最後に纏め上げる、ジョルジュ・ドンのバレエ。
様々な運命を、音楽でありダンスであり、人間の身体性が引き受けている。
モノクロームの侍の、精神と身体の美しさ。武満徹の音楽の美しさ。
神山繁の病的な悪人面。
今の、戦争について、考えさせてもらえました。
彼の判断で、子供らは死んだし、部下は助かった。どちらも重い事実だが。友人の証言にある、そこに行くべきではなかった、のが最善だったのだろうし。そこに行ったの>>続きを読む
音楽、画面のきれいさは、わかるのですが。
全能の神、登場人物の設定の特異さに、なにかリアリティを感じられず。
収束していくストーリーにも、見たことがあるような。
雪の中に、深くて広くてもやもやっとした闇。闇を闇のままで終わらせて、沈黙して、考えさせる。
おそらく、この監督がつねにテーマに据えているであろう、記憶についての話。サスペンスやどんでんがえし、という見方よりも、忘却していく記憶=人生とは何なのか、もやもやと考えさせる手法はいつもながら感服しま>>続きを読む
取り乱し、刀を振り回す男、消える蝋燭、音もなく闇に消えていく、妖魔。
幽玄とは、このことか。悲しみが、丁寧に描かれている。
2017年11月29日
80年代の東京の空気が、ひりひり沁みてきた。
2023年3月28日再鑑賞
富田靖子の1歳下、同じく陰キャな高校生であった僕には、あの時の東京、教室の風景が刺さってくるのです。
足りないところが、見つからない。沈黙、間、空気、必要でないようで、必要なシーンばかり。静かに夜が明けていく冒頭、セットとは、おそれいりました。
市川市が舞台という、絶妙にリアルな閉塞感。とにかく荒々しい。恋人の妊娠や、認知症の母、とかあまりにもベタでないかい、とかもひっくるめて、稀に見る、力強い日本映画。
逃げ出したくなる、母娘の愛憎。
ほぼ人物のアップ、美しい湖畔での遠景や回想のシーンの折り込みに、巧みな編集を感じます。
好きだけど嫌い、別れたいけど別れたくない、内面をこれでもかと抉ってくる、もうやめ>>続きを読む
デジタルな眩しさに辟易とするし、嘘だらけだ、とも思うが。技術の粋を集めたそのやり口に、感動の鳥肌が立つ。
記憶のこと。しかしながら、怖いほど美しい。ふるえる。
子よ 走れ
エウリディケを嘆くな
棒で銅の輪を 己の世界を追え
かすかにでも
一歩一歩の歩みに
陽気に 無情に
大地がざわめく限り
座頭市の集大成、悪い役人、悪いヤクザ、悪い商人、苦しむ庶民、悲しい侍、解放する市さん、大殺陣。わかってはいるけど、おもしろい。
酒場での、緒方拳とのやりとりに、痺れました。
食卓の三角形のテーブルの不穏さが、終盤の異世界に繋がる時、娘の不安や悲しみが沁みてきて、泣きました。
大人になって忘れかけている、親を下から眺める気持ちを、思い起こさせてもらいました。
すごいな。えんえんと続く緻密な会話、執拗に真実を見つけようとする姿勢には、いつもながら感服します。
「女の無限の力」をわけてほしい。
5時間バージョンは未見。
CGではない大爆破の火薬量に、合っているようで、合っていないような、モリコーネのBGMが、尋常ではない。
ションションション
ひとり運転席で思い出すもの、ある。
高橋メアリージュン、いい。
お金に、うんざりできる。
あのカップルは、きもちがわるいです。
なによりも、静かな静かなオープニングから、崩れ落ちる4人のガンマンのシルエット、しびれる。
すげえな、これ。
香川照之はもちろん、西島秀俊、東出昌大のズレ、竹内結子、藤野涼子の依存、なにげに笹野高史が効いてる。
空虚な会話。ロケーション。絶妙です。
いつもながら、「家族」を考えさせられ>>続きを読む
彼女とは、パリ首都圏、女優、団地妻、
赤、青、白、青、白、赤、白、青、赤、
宗教がどうこうと言うより、人のおろかさ、てことでは。事件を前に、人はしょうもないことをしてしまう、離れたところからそれはないと思えても。
誰もが疲労している。