りょうさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

りょう

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罪の声(2020年製作の映画)

3.2

 この作品のモデルになった実際の事件は、自分が小学生のころに発生したので、毎日のようにテレビのニュースで観ていました。かなり鮮明に記憶しているので、少し複雑な構造でテンポのいい展開でもわかりやすかった>>続きを読む

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで(2008年製作の映画)

3.6

 1955年当時のアメリカの若い夫婦の生活スタイルとして、このカップルはとても幸福そうでしたが…。ニューヨーク郊外の新興住宅地に戸建てのマイホームと2人の子ども、夫は大企業の社員でマンハッタンに出勤し>>続きを読む

プライベート・ライアン(1998年製作の映画)

4.4

 これは真夜中には観られない作品です。音響が格別に素晴らしいので、轟音をフルボリュームで再生しなければいけないからです。冒頭の20分の戦闘シーンを最初に観たときは、“ついにここまできたか”と感嘆した記>>続きを読む

ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)

4.4

 いわゆる西部劇があまり好きではありませんが、クエンティン・タランティーノ監督の作品なので、当時も劇場で観ました。彼の作品で普通の西部劇なはずもなく、HIPHOPをバックにした銃撃戦とか、現代の黒人カ>>続きを読む

アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)

5.0

 スタンリー・キューブリック監督の遺作となってしまい、当時はかなり話題になりましたが、1999年はハリウッドが尋常じゃないほど傑作を連発していたので、そこに埋没してしまわないかと不安でした。
 世間的
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フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

4.4

 最初に観たのは、1991年頃のレンタルビデオでした。劇場公開から3年も経っていましたが、寡作なスタンリー・キューブリック監督の最新作で、新感覚のベトナム戦争の映画というイメージでした。
 戦場がジャ
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ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)

4.0

 狂気の会議を忠実に再現する意図なのかどうかわかりませんが、この作品には劇伴がありません。エンドロールでは環境音も排除され、完全な無音なのが不気味です。とにかく中年や高齢の男性ばかりが議論するだけです>>続きを読む

そして僕は途方に暮れる(2022年製作の映画)

4.2

 大沢誉志幸さんのファンではありませんでしたが、「そして僕は途方に暮れる」がヒットしていた中学生のころによくラジオで聴いていました。大人になって歌詞の意味がわかると大好きになった名曲です。その歌詞とこ>>続きを読む

マネーボーイズ(2021年製作の映画)

3.4

 台湾の映画だと思って観ましたが、台湾は同性婚が法制化されているので、こんな展開にはならないはずだと不思議でした。舞台は中国だったのかもしれません。
 序盤は、登場人物たちが真正なゲイなのか、やむなく
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ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

3.6

 あくまで個人的な印象ですが、新海誠監督の「天気の子」をベースにミヒャエル・ハネケ監督の「ファニーゲーム」のような展開を設定し、一部にアメリカの9.11と日本の3.11の悲劇を反映した作品でした。
 
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オーシャンズ13(2007年製作の映画)

3.4

 「オーシャンズ」シリーズは、この雰囲気や映像と編集のキレという意味では、「11」のシンプルな脚本がマッチしていたと思います。
 前作の「12」は、少しひねった物語の展開が嫌いではありませんでした。こ
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.0

 スティーブン・スピルバーグ監督は、特別に大好きな映像作家ではないので、全部を観ているわけではありませんが、かなり俗っぽく表現すると、100点満点中80点の作品が多い印象です。「シンドラーのリスト」な>>続きを読む

別離(2011年製作の映画)

4.8

 この作品を最初に観たときは、そもそもイラン映画になじみがなかったし、イランの人々の社会生活にも理解がなかったので、あまり印象がよくなかった記憶があります。エンドロール以外に劇伴がない演出も物足りなさ>>続きを読む

手紙は憶えている(2015年製作の映画)

4.0

 アトム・エゴヤン監督は、1997年の「スウィート ヒアアフター」が印象的でした。カンヌでグランプリを受賞しましたが、日本では意外な低評価で、もう1回観たいのになかなか機会がありません。
 彼の作品を
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奈落のマイホーム(2020年製作の映画)

1.2

 おそらく意図的なんだと思いますが、主要な登場人物の誰にも感情移入できないような設定になっています。好きにもなれないし嫌いにもならない、善人でもなければ悪人ってわけでもない、悪く言えばどうでもいい登場>>続きを読む

アフター・ヤン(2021年製作の映画)

3.6

 これは現代から何年後の物語だったのでしょうか。完全自動運転の自家用車が心地よさそうですが、どんな外観だったのかわかりません。AIを搭載したアンドロイドが商品化されて家庭に普及していますが、電話やPC>>続きを読む

ヨーロッパ(1991年製作の映画)

1.8

 WOWOWでラース・フォン・トリアー監督の特集を放送していました。こんなことでもないと観ないような作品ですが、せっかくの機会なので…。
 物語の主軸がはっきりしない苦手なタイプの作品でした。モノクロ
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RRR(2022年製作の映画)

3.8

 噂どおりにものすごい熱量で、エンタメとしてのクオリティはハリウッドに匹敵します(ある意味ではそれ以上)。物語は勧善懲悪がベースになっていますが、3時間の長尺で何度か起伏があるし、そもそも親友になった>>続きを読む

猫は逃げた(2021年製作の映画)

3.8

 2匹のネコがめちゃくちゃかわいいので、ほとんど人間の俳優たちから目がそれてしまいます。動物の撮影の苦労はわかりませんが、ほとんど演技しているようにしか思えないカンタの仕草は、なんだか奇跡のようでした>>続きを読む

#マンホール(2023年製作の映画)

3.4

 いかにも自滅型のパニック映画かと思いました。被害者である主人公は冒頭に好青年として登場しますが、次第に悪い性格が鮮明になり、ついには彼の過去が…。
 そこから展開が発展して、ネタバレ厳禁の意外な俳優
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やがて海へと届く(2022年製作の映画)

3.4

 あらすじに「自由奔放でミステリアスなすみれ」が「一人旅に出たまま突然いなくなってしまう」とあったので、主人公が失踪した友人の心情や真相をたどり、その喪失感をやわらげる物語だと思っていました。
 あな
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ホーリー・トイレット(2021年製作の映画)

3.2

 序盤から低予算のB級感が漂っているので、あまり期待せずに観ていましたが、意外と演出も編集もしっかりした作品でした。物語の設定そのものがコメディなので、前半がジェームズ・ワン監督の「ソウ」のような雰囲>>続きを読む

ダーティハリー(1971年製作の映画)

3.8

 「ダーティハリー」シリーズは、4作目が小学生のころにリアルタイムでした。この1作目を観たのは、テレビの吹替版だったはずです。当時は暴力シーンが“痛そう”というイメージでいっぱいでした。中盤以降に犯人>>続きを読む

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

3.6

 新聞は物心ついたころから読んできたので、自分の人生ではいちばんつき合いの長いアイテムの1つです。こんな膨大な活字を毎日どうやって編集しているんだろうと感心してしまいますが、この作品の1971年当時は>>続きを読む

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

3.6

 ゴジラといえば、リアルタイムではないけれど、小学生のころに1960~70年代の作品を地元の上映会やテレビでよく観ていました。「−1.0」も気になりますが、久しぶりにこの作品を観てみました。
 まるっ
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線は、僕を描く(2022年製作の映画)

3.6

 水墨画がテーマの映画なんて、物語的にも映像的にも興味ありませんでしたが、そのどちらも想像していた以上のものでした。タイトルが「僕は、線を描く」じゃない理由をエンディングで理解できるような、とても丁寧>>続きを読む

志乃ちゃんは自分の名前が言えない(2017年製作の映画)

3.8

 Nirvanaが“rockin'on”の表紙ということは、たぶん1990年代前半の設定だと思います。加代の部屋には、OasisのCD、Creamの“Wheels of Fire”やDeep Purp>>続きを読む

警官の血(2022年製作の映画)

3.4

 佐々木譲さんの小説は、この作品の原作が有名ですが、「ユニット」と「警官の条件」を読んだことがあります。真冬の北海道を4日間にわたって列車で移動する仕事があって、そのとき現地で2冊を購入しましたが、ち>>続きを読む

エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

3.2

 映画ファンなら、みんな大好き「ニュー・シネマ・パラダイス」ですが、大学生のときに半分も観ないところでリタイアした生涯で唯一の作品です。はっきり言って何が面白いのかわかりませんでした。そのときの印象が>>続きを読む

ペルシャン・レッスン 戦場の教室(2020年製作の映画)

4.2

 2003年の「砂と霧の家」がとても印象的で、もう1回観たいと思っていますが、なかなか機会がありません。そのヴァディム・パールマン監督は寡作で、彼の作品とわからないまま観ましたが、映像の完成度が素晴ら>>続きを読む

月の満ち欠け(2022年製作の映画)

2.0

 かなり設定に無理があります。なぜ彼は高校生の女性が自分の元妻だとわかったのか。“Remember Love”だけで…。なぜ彼女は同級生の事故の真相を突きとめたのか。そしてそれを警察に通報しなかったの>>続きを読む

ウォンテッド(2008年製作の映画)

3.6

 拳銃から発射された弾丸がカーブする…。弾丸は回転しながら直進するんだから、別軸の回転を必要とするカーブなんて無理(1つの物体は複数の方向に回転できません)…という物理の知識がなくてもわかりますが、な>>続きを読む

グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

3.2

 個々のシーンは、あくまで表面的にしかわからず、それが何を意味しているのか理解できる素養がありませんでした。
 堕落した息子に試練を…と願った母親の魔術で登場したグリーン・ナイトですが、彼のゲームには
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マリアンヌ(2016年製作の映画)

3.4

 2人のスター俳優が主演なのに、数年前に観てもあまり印象がなかったので、2回目を観てみました。
 映像も脚本も悪くない作品ですが、ものすごく平坦な展開が残念です。映画のジャンルとしては恋愛物語とスパイ
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夜、鳥たちが啼く(2022年製作の映画)

3.0

 冒頭で慎一の家に入居する裕子ですが、てっきり2人は義理の兄妹だと思いました。最初っから異性として意識している雰囲気ムンムンの2人ですが、どういうわけか壁をつくってぎこちないばかりです。
 中盤になっ
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エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)

3.6

 なぜ宇宙船コヴェナント号のクルーたちはカップルばかりだったのでしょうか。惑星オリガエ6に到着後は、彼らも家族を形成するんでしょうが、2,000人の入植者の安全を保障するなら、それを任務としたプロフェ>>続きを読む