2秒前さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

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犬使いが三つ巴の一角なのにキアヌとドニーより完全に格落ちで辛い。全ての銃火器から必殺の脅威を取り除いてひたすら完成度を突き詰めたアクションとキアヌの消耗を眺めるには170分は長すぎる。客演感バリバリの>>続きを読む

名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊(2023年製作の映画)

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面白い。ロケーション良し、美術良し、探偵良し。。決して恐怖映画には接近しない虚仮脅し的超常現象とカメラワークの鶴瓶撃ちが楽しい。そして探偵が容疑者を一堂に集めてからは一気呵成。あっさりとした解決とちょ>>続きを読む

ドラキュラ/デメテル号最期の航海(2023年製作の映画)

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贔屓のウーヴレダルなのでそこそこ楽しんだが、出来は悪い。船上という舞台を活かせてないのは致命的。画面手前の拳が起こしたノックが湾曲して奥に伸びているデッキの手すりに響いていくショットのような機能的な細>>続きを読む

暗黒の鉄格子(1953年製作の映画)

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夫がついた小市民的嘘のせいで妻が無実の証拠となる拳銃を湖に捨ててしまったことから転がり落ちていく冤罪もの。
その妻と無実を証明しようとする弁護士が恋仲にならず(弁護士は別に婚約者がいて、彼女も気風が良
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野性の少年(1969年製作の映画)

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べらぼうに面白い。
少年が初めて自発的に行う文明的行動が「鍵を回す」であるというトリュフォーの映画的直感力に平伏せざるを得ない。
トリュフォー自身が演じる教授が施す教育と付随する飴と鞭のロジカルさが単
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カーサ・エスペランサ 〜赤ちゃんたちの家〜(2003年製作の映画)

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好きな映画。ついつい役者が良いというつまらない感想が浮かんでしまうが、それで良しとしてしまいたくなる。

ホテルの一室でスーザン・リンチが従業員のヴァネッサ・マルチネスに子供との将来の展望を語り、それ
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アンナと過ごした4日間(2008年製作の映画)

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二十ウン年ぶりに撮った映画がこんなどえらい代物なんだからえらいこっちゃで。
冒頭、遠くの看護師姿のアンナを柵越しに主人公が眺める場面、ここで何かアクセントが欲しいと思ったスコリモフスキは主人公にリンゴ
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帽子箱を持った少女(1927年製作の映画)

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いかにもサイレント的な運動に溢れた喜劇映画として一級だが、やはりバルネットは人物造形が一線を画す。終電を逃した少女が偽夫と同部屋で一夜を過ごすシーン、寝具なんてないのでそれぞれ帽子箱や本でシマを作って>>続きを読む

クレイジー・ママ(1975年製作の映画)

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冒頭、旦那が撃ち殺されてるってのに呑気な音楽がずっと響いてて、デミはずっと前からこんなことしてたのねーと思ったり。
リーチマン一家が美容院から追い出される→ずっと昔に追われた故郷に帰ろう、でも金が無い
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エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

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ミディアムサイズのワンカットに破綻せずどれだけ情報を詰め込むかの実験に見える。まるで初めから完成しているのではなく、目の前でどんどんショットが出来上がっていくような感覚。そして飽和寸前まで行ったところ>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

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相変わらず一瞬でエモーションを立ち上げる手腕は健在だが、とうとう「何を言ってるか全然わからんが何か感動する」という段階に。振り落とされる寸前だが、この一本は支持。数組の男女を出会わせ、それぞれに相応し>>続きを読む

MEG ザ・モンスターズ2(2023年製作の映画)

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IMAX3Dで鑑賞して大正解。明確に3Dで観られることを意識して演出されたアトラクション映画。B・ウィートリーはここに活路を見出したんだな。手前に飛び出してくる見せ物演出はもちろん、あらゆる透明な遮蔽>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

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G・ガーウィグの映画はいつも男性と女性の撮り方に隔たりがあるように感じる(『若草物語』では唯一そこを横断するのがシャラメだった)。僕はどの作品でもむしろ男性の方が魅力的に撮られていると思うし、それはな>>続きを読む

ミンナのウタ(2023年製作の映画)

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熟練の音響恐怖演出の数々、飛降りはもはや見せる必要すら無し。予告で見せたバーヴァ演出も幽霊襲撃の発端でしかない贅沢さ。そして魅力的な探偵。何より制約を制約と感じさせないその手腕。殺せなくたってかまわな>>続きを読む

しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜(2023年製作の映画)

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コメディとして凡以下。俺も「最近のクレしんお行儀が良すぎてさ〜」とか言ってるが外様の監督が撮るとこうも不快になるのか。「いい女の字が汚いとガッカリする」とか子供に聞かせていいセリフか少しでも考えたか?>>続きを読む

国境の町(1933年製作の映画)

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戦争映画オールタイムベスト!!
『青い青い海』もそうだったが、全く一筋縄ではない人間の感情が芝居に表れている。下宿していたドイツ人が去っていく背中の侘しさ。戦場の兵士たちの楽しげなやりとり。収容所が食
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青い青い海(1935年製作の映画)

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カラー以前、特に30年代やサイレントともなると役者の芝居なんて一面的で戯画的なものだと思われがちだが、この一本を観ればそれは誤ちだと分かる。むしろ現代の映画の方がなんとつまらないテンプレ芝居に溢れてい>>続きを読む

私はモスクワを歩く(1964年製作の映画)

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男二人×女一人の微妙な関係とか兵役が絡んでくるあたりいかにもヌーヴェルヴァーグっぽいのだけど、エキストラの数がめちゃくちゃ多かったり土砂降りの雨を降らせたりしててなかなかでかい規模でそれをやってるので>>続きを読む

ハズバンズ(1970年製作の映画)

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恥ずかしながら初見。142分版。
次のカットで何が起こるかどころか今話してる奴が次何を言い出すかすらわからない、というのはどのカサヴェテス映画にも言えることだが、今作は壊れた人間が3人もいるので予測不
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メルビンとハワード(1980年製作の映画)

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メアリー・スティーンバージェン素晴らしい。あんな風にサンドウィッチを作る女性を好きにならずにはいられない。ストリップ小屋を辞める(なんと2度!)際に衣装を叩きつけて全裸で悠々と出ていく気風の良さ。タレ>>続きを読む

傷だらけの挽歌(1971年製作の映画)

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再見だが、日本語字幕付きでは初鑑賞。
初めてキム・ダービーからスコット・ウィルソンにキスする瞬間、何度観ても痺れてしまう。

マイキー&ニッキー(1976年製作の映画)

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最強の役者二人の掛け合いを見てるだけで楽しいが、屋外の数ショットを除いてフィックスで撮られているし、けして役者に任せきりではない設計された芝居の力だろう。脚本家出身監督だけあってラフな話に見えて腕時計>>続きを読む

天使の影(1976年製作の映画)

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人物のフレームイン・アウトがずっと面白くそれだけで見てられる。主人公と母親、父親の3人が揃う場面、父親が母親の車椅子を押してそのままフレームアウトかと思ったらシャッターガラガラで主人公だけ締め出してビ>>続きを読む

PLASTIC(2023年製作の映画)

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つまらなかった。映画的な細部はもちろんある、むしろそれしか無いと言うべきか。ひたすら本質に切り込むのを避け、甘美に、時に切実に外縁を周回するだけの映画をもう俺はありがたがる気になれない。

仙頭武則に
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探偵マーロウ(2022年製作の映画)

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感想書き忘れ。スペインで撮ったという疑似LAが奇妙で良し。ことごとく見せ場を譲ってしまう謙虚なマーロウも斬新。語りの混乱も計算のうちだろう。銃撃描写もキレてる。

Pearl パール(2022年製作の映画)

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さすがに前作よりは良かったしそこそこ楽しかったんだが、それはそれとしてあの場面は見るに耐えないだろ。

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

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ヘイリー・アトウェルが完全に巻き込まれ型ヒロインなので『ナイト&デイ』みたいなロマンスの香りがするドタバタ喜劇になってるが、そこが魅力。特にそれが前面化する中盤のカーチェイスは楽しかった。でももうヒロ>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

悲しい。イマジネーションは枯渇する、宮崎駿も例外ではないのか。

ただ、その描写力は健在だ。ますます磨きがかかっていると言ってもいいかもしれない。だから考証と美化に腐心できる前半の戦後パートは素晴らし
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夜よ、こんにちは(2003年製作の映画)

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テレビからは常に大衆向けの政治が垂れ流されている一方で、隣の部屋の覗き穴を覗くと巨大な政治=モロが飯を食っている。この乖離にテロリストの一人である女性は精神の安定を崩していくのだが、中盤の一場面を除い>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

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この監督A24なのに上手いですね。画作りもさることながら、カラオケでの父娘の微妙な距離感や、音楽が饒舌すぎるきらいはあるものの作品を貫く死の気配は見事なもの。プールサイドで少年少女がキスし始めるとカメ>>続きを読む

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

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とにかくフィービー・ウォーラー=ブリッジに尽きる。袖を引きちぎりながら戦うモロッコのアクションから一気に心を掴まれた。船上で偽の謎解きを抗議するシーンの利発な茶目っ気も良い。最後の頑固な老人への大説得>>続きを読む

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

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画面の奇抜さで見ていられるのはせいぜい20分。アクションも技巧が先走り過ぎて目が滑る。何より後の和解が透けて見える内ゲバが延々と続くのがしんどい。そもそもスパイダーマン軍団の親玉がだらだらと説明する理>>続きを読む

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

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堕落した映画だなあ。でも面白かった。俺の中の堕落した部分に刺さった。マルチバースなんて大仰な言葉を導入してみても、ハリウッドは結局一つも斬新な語りを発明することはできず、『BTTF』の語り直しに帰結。>>続きを読む

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

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まさかのホラー版『違国日記』。スラッシャー映画的な殺されても心が傷まない表層的被害者たちでこそ、“ちゃんとした“親–保護者–大人、ましてや子供なんて存在しないという主題を語れると踏んだ脚本アケラ・クー>>続きを読む