せいけさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

せいけ

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愛すべき夫妻の秘密(2021年製作の映画)

3.8

大人気シットコムアイラブルーシーの舞台裏を描いた作品
アーロン・ソーキンらしい膨大な情報量で畳み掛ける手法は相変わらず
過去パートと劇中劇が織り交ぜられる構成と詰め込まれたセリフのテキストに演技の難易
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マクベス(2021年製作の映画)

5.0

シェイクスピア劇の映画化ということでついていけるか不安だったけど、後半になるにつれどんどん引き込まれた
モノクロスタンダードという削ぎ落とされた情報でも名優の圧倒的演技力とストーリーの芯の強さがあれば
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tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

4.5

30歳目前という長い目で見たらなんでもないけど当事者からすると焦燥感に駆られる節目
何事にもリミットという概念があると提示され時計の音やそれを表現するようなリズムの音楽がより焦りを強調してくる
エイズ
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余命10年(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

「死」ではなく「生」についてフォーカスを当てていたり、主人公に対して過度な同情を求めることもなく誠実に作られているのを感じる
美しい映像や役者たちの演技も素晴らしく観客に対して想いを届ける気概が映画と
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ユンヒへ(2019年製作の映画)

5.0

とてもシンプルでありながら静かに暖かい愛の映画
言葉を並べるとどれも陳腐に思えるような上品な佇まいに心を打たれた
逞しくもあり寂しさも感じさせるユンヒの存在感が映画全体をより奥行きがあるものにしている
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悪人(2010年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

正直自分には合いませんでした
殺人を犯してしまった男と不運なのかその男と出会ってしまった女の逃避行
この手の話でこの2人が惹かれ合う必然性を可視化できなければどうしたって作品に乗ることはできない
善悪
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ライダーズ・オブ・ジャスティス(2020年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

有害な男性性からの解放(されたかはともかく)と偶然という数奇な出来事の連なりを描いた復讐劇
純粋にエンターテイメントとして面白い、先の読めない展開とスター俳優の味がある演技、ブラックなユーモアとスリル
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ドリームプラン(2021年製作の映画)

4.5

感動の親子スポ根伝記映画として見てもシンプルに楽しめるけど、そこに至るまでの背景がやはり重要に感じる
黒人として生きてきた故に社会から阻害された経験があのような見ようによっては行き過ぎた教育方針に至っ
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The Hand of God(2021年製作の映画)

3.8

神秘的な雰囲気の青春映画
壊れそうになる人間の脆さを支えるのは幻想や物語ということなのか
虚実が曖昧に見える独特な空気感
陰影を生かして撮影されたナポリの街がとにかく神聖的な空気を醸しており美しい

女が階段を上る時(1960年製作の映画)

4.7

豪華な名優たちが織りなす会話劇の中でも堂々と中心に居続ける高峰秀子の存在感が圧倒的
頑な意志の強さと裏腹な脆さが同居した佇まいが凄まじい
成瀬はやはり会話劇の天才
ちょっとした間合いでコミカルさもシリ
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草の響き(2021年製作の映画)

5.0

練られた構図とうっとりするような長回しが美しい
東出昌大の閉ざされた演技が凄まじい
多分今の映画界で1番代えが効かない独特な空気感を持っている
やっぱり映画の人だと今作で確信した
抑制された演出の積み
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ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

4.3

職を求め困窮した生活を送るウェンディが愛犬ルーシーと逸れてしまう異色ロードムービー
どこを切り取っても美しくありながら地に足着いた撮影とこの世の不条理をじっと耐え忍ぶようなミシェル・ウイリアムズの役者
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HOMESTAY(2022年製作の映画)

1.5

このレビューはネタバレを含みます

テーマへの追求の浅さとテンプレのような展開の辟易
流石にあの家庭の問題のありようで実は愛されていたんだ、もっと周りに目を向けようは無理がありすぎる
画作りはいいと思うけど、ところどころMV的な演出が挿
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前科者(2022年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

とりあえず1番最初に言いたいことはみんな自分の仕事を全うしてくれ
社会派映画にするなら復讐の標的は個人ではなく社会やシステムにすべき
確かに仕事上のミスで人生が転げ落ちるなんてことはあり得る話
だけど
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オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

男2人と犬1匹による静かなロードムービー
大きな目的があるわけでもなく、雄大な自然を堪能するわけでもない非常にミニマルな構成
雑多な街並みと心地よい静寂を感じる森の中の対比が切ないようで何かを突きつけ
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ウエスト・サイド物語(1961年製作の映画)

3.8

ストーリーの流れや登場人物の行動原理を見ると正直気になるところはある
それでも往年の名曲たちとアクションとミュージカルを融合させたようなダンスシーンはやはり目を見張るしかない

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.0

ザ・ウェスアンダーソン作品
徹底的に練られた構図とコントロールされたら役者のセリフ回し、カクカクしたカメラワークと圧倒的情報量
一本筋が通ったストーリーはこれといってなく雑誌の追悼紙を紹介するオムニバ
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(ハル)(1996年製作の映画)

5.0

パソコン通信でという形で顔を合わせない男女の静かな交流を描く
文字演出が大胆に多用されているのでともすれば映画的にならないのではな?という見る前の不安を見事に解消してくれた大傑作
文字の出るタイミング
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哀しき獣(2010年製作の映画)

4.6

エンターテイメントとしては説明不要の面白さ
殺人の依頼を請け負った主人公がさらなる悪事に巻き込まれていく
早いカット割と躍動感ある手持ち撮影で大胆なアクションの連続で展開していく潔さ
フィクションだか
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王国(あるいはその家について)(2018年製作の映画)

4.5

なんなんだこれは
冒頭の少女を殺した取り調べのフィクションのシーンからそこに至るまでのリハーサルを異常なまでに繰り返し演じる
こちらの想像通りに文字通り話が進まない様には緊張感と一種の恐怖を感じるほど
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

表現というテーマに対して真摯に向き合った映画
言語、音楽、手話とさまざまな表現の手法が登場するが悲しいことに全員に通用する方法は存在しない
コミニュケーションが通用しないことの怖さ、だからこそ五感全て
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さがす(2022年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

極力情報を入れずに見てほしい作品
片山慎三監督の作品は残酷でありながらとても力強さを感じる
どん底の状態からの生命力、しかもそれが一面的でない形で現れるのがまた面白い
社会的なテーマを扱いながら脚本構
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ひとつの歌(2011年製作の映画)

4.0

理由についての説明がほぼ排された作劇
台詞も少なく、構図が決まった美しい撮影に浸るよう見入ってしまった
もはや日常なのか非日常なのかわからないほど淡々と起こることを映しとっていく
とても静的な映画なん
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.3

アダムマッケイお得意の社会風刺ブラックコメディ
そこにディザスターモノというジャンルが加わり過去作の中でもより一層風通しがよくエンタメとして痛快な作品になった印象
笑っていられたのも束の間的な作劇もさ
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ずっと独身でいるつもり?(2021年製作の映画)

3.0

特に女性が抱える生きづらさは大なり小なりあるのだろうと感じる
自分が男性なので迂闊に共感とは言いづらいけど、切実に伝わってくるものがあった
特に田中みな実、徳永えり、筒井真理子の受けの芝居が際立ってい
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

映画によってしかなし得ない魔法のような時間
こんなに優しくて切なくて興奮して楽しい映画って今後現れるのだろうか
後悔や悲しみやある種の運命を抱えてしまったスパイダーマン過去作のキャラクターたち
普通の
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スパイダーマン2(2004年製作の映画)

4.0

格段にスケールアップしたCG技術とアクションシーン
Dr.オクトパスの禍々しい雰囲気もサム・ライミ版の持ち味
電車のシーンで市民とスパイダーマンが結託するところがベタだけどよい
まさしく親愛なる隣人

アメイジング・スパイダーマン2(2014年製作の映画)

4.0

程よい軽やかさとまさしく青春の甘酸っぱさやどうしようもない切なさがアメスパシリーズの魅力
美しいショットも多くアクションも視覚的に楽しい
多少展開にご都合的なところやヴィランの描き込み不足があっても、
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ロスト・ドーター(2021年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

オリヴィア・コールマンの演技の素晴らしさに惹きつけられあっという間の2時間
視線のやり取りが雄弁に語ってくる、セリフ以上に情報密度が濃く、入れ子構造なのでかなり集中力が必要な作品
最初の数分だけで、何
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アメイジング・スパイダーマン(2012年製作の映画)

4.3

ややご都合的な展開の早さが気にならなくもないけど、シーン毎の出来の良さはサムライミ版とも引けをとらない
こちらの方がスタイリッシュなアクションと綺麗な映像により見どころを感じる
恋愛模様の切なさ瑞々し
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スパイダーマン(2002年製作の映画)

4.3

MCU版とは違ったいい意味でのB級感や狂気性、ビターな結末がよい
正直今見るとアクション描写の新鮮味は薄れてしまうけど、大いなる力には大いなる責任が伴うという言葉の重さがこの1作でしっかり感じられる

キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

戦時下を舞台にキングスマン前日譚を描く
これまでの抜けのいい作風を期待すると若干期待外れかも
正直な印象でいうと普通のスパイアクションになっちゃったし、それにしても作劇のモタつきやアクションの地味さに
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赤線地帯(1956年製作の映画)

5.0

余りにも滑らかで美しい構図で撮られる長回しにカメラと女優たちの演技アンサンブルが最大の魅力
売春防止法に揺れる赤線地帯の人間模様を描く
それぞれ事情を抱えながら正しさという観点は置いておくにしてもなん
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ボストン市庁舎(2020年製作の映画)

4.0

4時間半という長尺ゆえ正直に言うと全てに対して集中して見れたわけではないけど、市庁舎に勤める人たちと市民の町を良くしたいというこの上なくシンプルな思いがストレートに伝わってくる
恥ずかしながらあまり日
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