経年変化さんの映画レビュー・感想・評価 - 37ページ目

グリード(1924年製作の映画)

4.2

かなり久々の鑑賞。
私利私欲の念の交錯劇を経て、死の砂漠に流れ着く各人の動線設計がたまらない。
『眼には眼を』初鑑賞時にラストで「グリードかっ!」って唸らされたのを思い出す。

自宅でサイレント映画

グレイト・ガッボ(1929年製作の映画)

3.2

サイレントだと思ってたらトーキーだった。
腹話術師シュトロハイムの隣で椅子に座る人形が、主要キャストの一角として物語に貢献する様を予感させるファーストショット。
あの高揚感はいずこへ…

Every Day(2016年製作の映画)

3.2

台詞がしんでる。曜日ごとに構成されながらこの鈍重さはだいぶキツい。無理に引き延ばして長編にしなくてもよろし。
終わり方が好き(2つ並んだティーカップのショット!)なだけに何だかモヤモヤ

肉体と悪魔(1926年製作の映画)

3.6

神秘的美貌を携えた悪魔(ガルボ)を連れてきた時点で大勝利確定

自宅でサイレント映画

クィーン・ケリー(1929年製作の映画)

3.8

第一部に宿っている生命力の瑞々しさにはつい顔が綻んでしまう。一転して第二部では受動的な後日談が展開。抗えなさという側面からすれば如何にもシュトロハイム的であると言えなくもないが、その振れ幅に少し戸惑っ>>続きを読む

月世界の女(1929年製作の映画)

3.6

言わずもがな長編SFの嚆矢として後世に影響を及ぼし続けてきた記念碑的意欲作。それと面白いかどうかってのはまた別ですが、凄いものを観てるんだなっていう感慨だけはある

自宅でサイレント映画

アメリカ(1924年製作の映画)

3.2

140分完全版。グリフィスが紐解くもうひとつのアメリカ史。蓋を開ければ『國民の創生』の下位互換。あっちが退屈な人には本当に地獄だと思う。
一定の距離感を保ち俯瞰を選択する事で避けられなくなった演劇的身
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ホドロフスキーのサイコマジック(2019年製作の映画)

3.4

『ウィッカーマン(1973)』というよりは『ミッドサマー』もしくは新ジャンルのAV、なんて事を言っちゃうとホドロフスキーにちんこギューンってされそうなんでやめておきます。
ともすればカルト的共同体と位
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あるじ(1925年製作の映画)

3.6

非常にタイムリーな作品につき とある層には響きそうな内容ではあるが、どうも説教臭くて好きになれない。まあ単純にドライヤーの大衆への視座というフレッシュさは楽しい。
専制君主の如くたち振る舞う亭主への嫌
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ファウスト(1926年製作の映画)

4.2

あらゆるエフェクト演出が凄まじすぎやしませんか。
中間字幕のフォントと背景の相性も抜群でヨダレ出そう。演者の表情の豊かさはムルナウのフィルモグラフィーの中でも群を抜いて素晴らしい。嗚呼、眼福…

自宅
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愚なる妻(1921年製作の映画)

3.2

143分復元版を鑑賞。資料にはこれでもシュトロハイムの構想の1/4程度と記載されている。勘弁してください

自宅でサイレント映画

サタンの書の数ページ(1919年製作の映画)

4.4

これはスクリーン案件。あまりにも厳格な構図に脳髄が揺さぶられる。
高潔さへと帰着を見せつつ、いつの時代も悲劇は反復されてしまう事が提示されるわけだが、抵抗の姿に美を見出だす事で精神が浄化されていく感覚
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大疑問(1919年製作の映画)

3.6

「あるあ…ねーよ」な大味展開を気にさせない。常にリリアン・ギッシュをみていられる多幸感の勝利

自宅でサイレント映画

死神の谷/死滅の谷(1921年製作の映画)

4.0

愛は運命にどこまで抗えるのか。ラングならではの世界観が積み重ねられた、死に対する黙想録。
死神が村に到着して自身のテリトリーを張っていく序盤の吸引力がすごすぎて悶絶

自宅でサイレント映画

アルプス颪(1919年製作の映画)

3.8

短縮版ではなくオーストリアプリントの最長版(99分)。
ロケ撮が生み出す至高のリアリズム。そこに呼応するシュトロハイムの生々しさ

自宅でサイレント映画

パンと植木鉢(1996年製作の映画)

4.8

鑑賞日不明。
フィルメックスで会った監督にこの作品が大好きだと伝えたらものっそい笑顔で握手してくれた。一生ファンでいようと思った

私が女になった日(2000年製作の映画)

4.2

代弁される数多の女性達の叫び。紡がれていくべき未来

キシュ島の物語(1999年製作の映画)

4.0

ジャリリ目当てで観たけどマフマルバフの『ドア』が素晴らしかった