経年変化さんの映画レビュー・感想・評価 - 35ページ目

マヌケ先生(1998年製作の映画)

4.4

尾道三部作番外編。
原作・総監督という立ち位置ながらも、眼前に広がるのは紛れもない大林ワールドであり、横溢する映画への情熱にただただ咽び泣き。時間と共に細部の記憶は薄れていこうとも、愛するものへの熱は
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サラ・ムーンのミシシッピー・ワン(1991年製作の映画)

4.4

サラ・ムーン節全開。全てのショットがフォトジェニックで垂涎もの。
時に関係性を逆転させながら、互助的精神で失われた時間を補填する二人の姿があまりにも崇高。
引き裂かれた背景がどうであろうと、現状がどれ
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ジョージア(1995年製作の映画)

4.0

姉の愛に泣く。だからタイトルもこれでいい。一見円環をなしている様ではあるがJJリーの中で何かが劇的に変化している。それは彼女にしか分からない。それでいい

凱里ブルース(2015年製作の映画)

4.0

ビー・ガンに関しては長回しにしても3Dにしても個人的に不必要だとは全く思っていない。いいぞもっとやれ

残酷おんな情死(1970年製作の映画)

3.8

ロマポル前夜。思いの外真っ直ぐな作品。エロスよりも愛を全うしようとする二人の姿に目がいく。
所々で『狂走情死考』重ねちゃったり

燕 Yan(2020年製作の映画)

3.8

過去と現在、日本と台湾といった境界をシームレスに紡いでいく手腕はさすが。
愛の喪失による精神的外傷を描出し現実に深くコミットする上で、自身の強みである映像に重心を置きながら、作品そのものに夢想の翼を与
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劇場版ごん GON, THE LITTLE FOX(2019年製作の映画)

4.0

ごんの造形やら仕草があまりにも愛おしい。費やされた時間と労力を想像するだけで目眩がする。ある意味でオリジナリティを獲得しているだけに原作からもう少し逸脱しても良かったけど

ジョニー・ベリンダ(1948年製作の映画)

4.0

ジェーン・ワイマンを称賛するほかない作品。
社会的弱者としての彼女が、コミュニケーションツールを覚え、人生の豊かさを知り、母性という名の強さや一度は蹂躙された尊厳を獲得していく流れが問答無用に素晴らし
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ようこそ、革命シネマへ/木々について語ること ~ トーキング・アバウト・ツリーズ(2019年製作の映画)

3.6

およそ2ヶ月間映画館に足を運べない状況が続き、私は発狂しそうになった。たったの2ヶ月間でだ

在りし日の歌(2019年製作の映画)

4.4

幸せだった過ぎ去りし日々を追想する事しか出来ない後ろ向きな夫婦。それと呼応する様な時制構成や行間を読ませる画面提示を目の当たりにするだけでもう胸が張り裂けてしまいそう。
手探りでの映画館再スタートとい
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嘆きのテレーズ(1952年製作の映画)

4.2

亭主殺害後、実体無きものに追い詰められ疲弊・狂乱していく原作に対し、一人の目撃者を配置する事で絶妙に脚色してみせたその匙加減がいい。
破滅的顛末へ雪崩れ込んでいく畳み掛け方にめちゃんこ興奮した

ひろしま(1953年製作の映画)

4.2

阿鼻叫喚の地獄絵図の主要な骨格として機能する広島市民のエネルギー量、山田五十鈴や月丘夢路のフェードアウトの早さが惨劇の生々しさを加速。
演じている当事者らの動力源が一体どこに存在しているのか、なんて事
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わかれ雲(1951年製作の映画)

4.2

まだまだ戦後間もない暗澹たる社会病理の投影図。
スクラップ・アンド・ビルドで再建をなしてきたタフな日本の精神的なそれが垣間見えて泣けるし、シンプルに出会いと別れを描いた作品としても秀逸

或る女(1942年製作の映画)

3.6

たとえ凡作であろうと田中絹代は自身の存在感でそこそこ観られる作品に変えてしまう

Samsara(原題)(2011年製作の映画)

3.8

『バラカ』から地続きの世界観。壮大なる叙事詩。
連チャンで鑑賞したので食傷気味だったのは内緒だけど、自粛ムードの今だからこそ響くものがある

バラカ(1993年製作の映画)

4.0

『コヤニスカッツィ』と同アプローチながらその換骨奪胎ぶりに目が眩む。ゴッドフリー・レジオも心中穏やかには観ていられないんじゃないかってほどの完成度。
被写体となる建造物・風景・人物全てに歴史と物語が存
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地球でいちばん幸せな場所(2007年製作の映画)

3.8

一目でカサヴェテス信奉者である事がわかる街と人物の切り取り方。
ストリートで今を生きる少女らの逞しさ、『小便小僧の恋物語』を思わせる適度な距離感の男女の慎ましさを同画面で溶け込ませる試みがそこそこ面白
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佳人(1958年製作の映画)

3.6

芦川いづみの透明感のみが牽引力となり取り立てて言及すべき点のない作品ではあるけれど、そもそもそれだけを目的に鑑賞したので無問題

ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

3.8

炙り出されるエゴイズム。心に打ち込まれた楔が深すぎて抜けない

GYAO

大阪の宿(1954年製作の映画)

4.4

押し寄せる新しい波に翻弄される市井の人々、抗えない不条理、そんな日々の中で見出だすささやかな喜び。決して重くなりすぎず軽妙さすら伺える筆致に心酔。
新藤と組んでない時の乙羽信子たまんない。傑作。スゲー
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恋人たちは濡れた(1973年製作の映画)

3.2

やりまくってる神代作品はそんなに好きじゃないけどとりあえずアオカン最高

GYAO

白い少女(1958年製作の映画)

4.2

きっとメトロ内でロケハンしてる時から既に楽しいやつ。
この奇跡的空間をわずかな時間で堪能できてしまう奇跡的短編

Vimeo

スウィート ヒアアフター(1997年製作の映画)

4.0

かなり久々に鑑賞。ほんと好き。サラ・ポーリーのベスト

GYAO無料配信

阿賀の記憶(2004年製作の映画)

4.0

囲炉裏で沸かすヤカンがこんなにも画になる作品を私は知らない

SELF AND OTHERS(2000年製作の映画)

4.4

生きた証を刻印しながら、不在と存在の二項対立が映画という概念を押し広げてさえいる。これからの人生、自分にはこの作品が必要だ

花子(2001年製作の映画)

4.0

写真を撮るという行為が、今にも押し潰されそうな感情のいなしどころに見えてただただ辛い。それがあるが故に何とか日常をコントロール出来ているんじゃないかって。いずれにせよこの奇異にも映る現実を発信する覚悟>>続きを読む

カーネーションの卵(1991年製作の映画)

4.2

家族間における自伝的ビジョンの色濃さはベルイマン『愛の風景』『日曜日のピュ』にも連なる系譜。大戦下という時代のうねりの不穏さとソ連映画を彷彿とさせる清冽さが見事に同居する

デフ・ジャム 〜聴いて!私の手話の詩(うた)〜(2011年製作の映画)

3.6

イスラエルとパレスチナにルーツを持つ二人の少女の共闘。
ろうである事に誇りすら感じている彼女らのバイタリティーに圧倒される

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